国内企業物価、24年は3年連続過去最高 12月3.8%上昇
ロイター / 2025年1月16日 12時26分
1月16日、日銀が発表した12月の企業物価指数(CGPI、2020年平均=100)は124.8と、前年同月比で3.8%上昇し、前月(確報値)と同じプラス幅となった。写真は埼玉県の工場で2020年5月撮影(2025 ロイター/Issei Kato)
Tetsushi Kajimoto
[東京 16日 ロイター] - 日銀が16日に発表した12月の企業物価指数(CGPI、2020年平均=100)は124.8と、前年同月比で3.8%上昇し、前月(確報値)と同じプラス幅となった。指数は過去最高を記録。2024年通年は122.6となり、3年連続で過去最高を更新した。
12月の上昇率はロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値(3.8%)に一致。11月分は3.8%に上方修正された。23年6月(4.5%)以来の伸びとなった。コメを含む農林水産物の価格高や電気・ガス料金の値上がりが影響した。
同指数は企業間の財・サービスの取引から算出され、卸売り価格と相関性が高い。
12月は前月比で0.3%上昇と4カ月連続でプラスとなった。
コメを含む農林水産物が前年比31.8%上昇。コメ価格の高騰は新米が出回ったことで一時より和らいだものの、引き続き押し上げ要因となった。飼養費や輸送費など諸コストの上昇を転嫁する動きもみられた。
「電力・都市ガス・水道」は12.9%上昇。24年5月に再生可能エネルギー普及のための再エネ賦課金が引き下げられたことがプラスに寄与した。電気・ガス代補助金の終了も押し上げ要因となった。
非鉄金属は銅・アルミニウム市況高により12.6%上昇した。
企業物価指数を構成する515品目のうち、上昇した品目は389、下落は103だった。
SMBC日興証券のシニアエコノミスト、宮前耕也氏は、幅広い品目で輸入コストを転嫁する動きが続いているほか、足元で賃金コストや物流コストを転嫁する動きも出ていると指摘。企業物価、消費者物価は高めの伸びを維持する見通しで、日銀の金融政策正常化路線を「妨げることはない」と予想した。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/
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