英GDP、11月は前月比+0.1% 3カ月ぶり増加も予想下回る
ロイター / 2025年1月16日 18時19分
1月16日、英国立統計局(ONS)が発表した2024年11月の国内総生産(GDP)は前月比0.1%増と、3カ月ぶりに増加した。写真は2023年10月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/ Susannah Ireland)
[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が16日発表した2024年11月の国内総生産(GDP)は前月比0.1%増と、3カ月ぶりに増加した。
ロイターがまとめた市場予想(0.2%増)は下回った。
9月と10月のGDPはともに前月比0.1%減だった。
ONSは「経済は引き続きおおむね横ばいだ。11月は微増で、その前の2カ月は小幅な減少だった」と述べた。
セクター別では、サービス部門が若干増加した。卸売、パブ、レストラン、IT(情報技術)企業が好調だった。半面、製造業、石油・ガス会社は不振だった。
10月30日に企業の税負担拡大を盛り込んだ予算案を発表したリーブス財務相はGDP発表後、「経済成長を活性化させるため、さらに迅速に前進する決意だ」と述べた。
キルター・インベスターズの投資ストラテジスト、リンゼイ・ジェームズ氏は、英国が景気後退に陥るリスクは大きくないが、税負担の拡大は4月に始まるため、予算の完全な影響はまだ出ていないと指摘。
「企業はまもなく国民保険料増額の影響を感じるだろう。さらに、トランプ米次期大統領の就任が近づいており、トランプ氏の政策の影響が年内に本格的に出てくるだろう」と述べた。
ポンドは対ドルで約20セント下落した。
第3・四半期のGDPはゼロ成長。予算案を巡る不透明感で企業が打撃を受けた。イングランド銀行(英中央銀行)は第4・四半期のGDPも横ばいになると予想している。
11月のGDPは前年同月比では1.0%増。市場予想の1.3%増を下回った。
英産業連盟(CBI)のリードエコノミスト、ベン・ジョーンズ氏は、予算案以降、米企業の間で警戒ムードが定着してしまったとし「多くの企業は営業コストを低減することを重点として新年を迎えた。今後数カ月賃金や雇用、投資が圧迫される可能性がある」と述べた。
パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、ロブ・ウッド氏は、GDP統計は増税計画や、米大統領選でのトランプ氏勝利を受けた世界的な不確実性の影響で英経済に不安なムードが広がっていることを示したと指摘した。
英中銀が2月に利下げすることはほぼ確実と述べる一方で、「24年後半のデータと比べて見通しは明るくなっている。リセッションリスクは的外れだ」と述べた。
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