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日鉄の買収再審査に含み、FRB独立支持 米財務長官候補公聴会

ロイター / 2025年1月17日 8時1分

トランプ次期米大統領が財務長官に指名したスコット・ベッセント氏(写真)は16日、上院財政委員会で開かれた指名承認公聴会に臨んだ。同日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 16日 ロイター] - トランプ次期米大統領が財務長官に指名したスコット・ベッセント氏は16日、上院財政委員会で開かれた指名承認公聴会に臨んだ。バイデン政権に阻止された日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収について、再審査されることになれば、対米外国投資委員会(CFIUS)は「通常通りの審査を行う」と述べた。

公聴会ではその他、米ドルは世界の基軸通貨であり続けるべきと主張。米連邦準備理事会(FRB)は独立を維持すべきと述べ、ロシアの石油部門に対してより厳しい制裁を課す用意があるとの姿勢を示した。

今年末で期限切れとなるトランプ氏の2017年減税を延長し、米経済を圧迫しかねない4兆ドルの増税を回避することが急務と強調した。「もし更新・延長しなければ、われわれは経済的災難に直面することになる」とし、「中間層にとって巨大な増税になる」などと訴えた。

トランプ次期大統領が打ち出している関税引き上げについては、改めて支持を表明。不公正な貿易慣行と闘い、歳入を増やし、貿易以外の問題も含めて米国の交渉力を高めることにつながるとの見方を示した。

ベッセント氏は、成長促進を目的とした税制、投資、貿易、エネルギー政策が繁栄の「新たな経済黄金時代」の到来を告げると主張した。

<ロシアや中国に厳しい姿勢>

ロシアの石油セクターに対する米国の制裁は弱すぎると主張した。バイデン政権が米国の石油生産を抑制する一方で、石油価格の上昇を懸念しすぎたためであり、米国の石油生産量が増えれば、ロシアの石油メジャーに対する制裁を一段と厳しくすることができるだろうと語った。

中国については「世界史上最も不均衡な経済」であり、輸出によって「深刻な不況/恐慌」から抜け出そうとしていると指摘。中国が安価な商品で米国や世界の市場を氾濫させることは容認できないと述べた。

<FRB「独立維持すべき」>

トランプ氏がこれまでFRBの金利決定を巡って頻繁に不満を表明していることから、トランプ氏が大統領就任後にFRBに対して支配力を行使しようとするかどうかの手掛かりを得るため、市場関係者らはFRBの独立性の問題に関するベッセント氏のコメントを注目していた。

ベッセント氏は公聴会で、FRBは「金融政策決定に関し独立すべき」との見解を示した。トランプ氏がFRBの金融政策を巡り「自身の見解を表明するだろう」としつつも、トランプ氏がFRBの政策決定に影響力を持つべきと考えているという見方は「極めて不正確」とした。

ドルについては「重要なのは、ドルが世界の基軸通貨であり続けることだ」と主張した。トランプ氏は長年、ドル高に不満を抱いている。

また、トランプ氏が目指す政策については、インフレを抑制し労働者の賃金上昇を促すという見通しを示し、物価上昇につながる政策があるかという議員からの質問に対しては「今すぐ思い付くものはない」と応じた。

<「デフォルト起こさない」>

ベッセント氏は、自分の代では米国債のデフォルト(債務不履行)は起こさないと誓った。議会は連邦債務上限を撤廃すべきかとの質問に対し、トランプ氏が要求すれば、実現に向け議会と協力すると述べた。

1930年代の大恐慌、第二次世界大戦、そしてコロナ禍を例に挙げ、債務残高が多いということは、危機に立ち向かうために多額の借り入れをする能力が低いということだと指摘。「財務省は、政府全体や議会とともに、借り入れ能力を使って国民と世界を救ってきた。しかし、現在の能力でこれまでと同じことをするのは難しいだろう」と語った。

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