IMF、最貧国向け融資枠3倍へ拡大目指す コロナ対応支援
ロイター / 2020年4月16日 11時11分
国際通貨基金(IMF)は、最貧国向けの融資枠を3倍の180億ドル超に拡大することを検討している。写真はゲオルギエワ専務理事。2月16日、アラブ首長国連邦のドバイで撮影(2020年 ロイター/Christopher Pike)
[ワシントン 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は、最貧国向けの融資枠を3倍の180億ドル超に拡大することを検討している。各国の新型コロナウイルス対策を支援するのが狙い。ゲオルギエワ専務理事が15日、ビデオ会議システムを通じた記者会見で明らかにした。
専務理事は融資枠拡大について、メンバー国から完全な支持を得ているとし、「われわれの目標は3倍に拡大することだ」と語った。
譲許的融資といわれるもので、金利は一般的に市場金利を下回る。
専務理事はこれより前、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に宛てた声明で、「(IMFは)貧困削減・成長トラスト(PRGT)向け新規融資の財源180億ドルを至急求めている」と述べた。また、補助金の財源として少なくとも18億ドルが必要とした。
専務理事は、加盟189カ国のうち102カ国が、新型コロナ対策のための緊急支援について、関心を表明するか正式に要請したと明らかにし、危機の深刻さを強調した。
また15日夜には、IMF理事会が、非常に強力な政策とファンダメンタルズを備えたメンバー国向けの短期流動性枠の創設を承認したと明らかにした。
この新たな制度はリボルビング方式で、対象国は国際収支の短期的なニーズに応じて割当枠の最大145%の利用が可能になる。
専務理事は、途上国への融資拡大に向け、既存の特別引き出し権(SDR)を活用することで「総意が形成されつつある」とも述べた。
ただ、G20財務相・中銀総裁会議の声明は新規配分や「余剰分」の融資を通じたSDRの活用に関する合意はないとしており、専務理事の発言と一致しない。
SDRの新規配分は流動性供給の大幅な拡大につながるものの、関係筋によると、資金供給対象にイランや中国が含まれることから、米国が反対している。[nL3N2C35I8]
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