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行き過ぎた銀行の規制緩和、危機終息後に金融安定損ねる=BIS

ロイター / 2020年4月16日 14時54分

 4月15日、国際決済銀行(BIS)は公表した報告書で、銀行規制の緩和に関して、新型コロナウイルス対策で必要とされる「大胆かつ異例」な措置のひとつだが、感染が終息した時に金融システムの安定を損ねかねないため、一時的かつ限定的であるべきだと指摘した。写真はロンドンの金融街。6日撮影(2020年 ロイター/Matthew Childs)

[ロンドン 15日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は15日に公表した報告書で、銀行規制の緩和に関して、新型コロナウイルス対策で必要とされる「大胆かつ異例」な措置のひとつだが、感染が終息した時に金融システムの安定を損ねかねないため、一時的かつ限定的であるべきだと指摘した。

各国が都市封鎖に動き、経済の景気後退(リセッション)入りが避けられない状況で、規制当局は、企業の資金繰りを支援するために、銀行の資本準備金活用や不良債権引き当てに関する基準の緩和を容認している。

さらに規制当局は、一連の新規制の導入を延期し、その結果、銀行間では、より長期にわたり規制導入が延期されるとの期待が高まっている。

BISのクラウディオ・ボリオ氏とフェルナンド・レストイ氏は、規制緩和が行き過ぎれば、将来経済に資金を供給する銀行セクターの能力が弱まる恐れがあるとした。

こうした規制は10年前の金融危機時に導入された。金融システムに対する信頼を損ねないためにも、調整は一時的なものであるべきだ、と述べた。 現在必要とされる措置をどの程度大胆に行い異例なものにするかという点では、制限があるとの見方を示した。

また、各国の金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)は、新型コロナ危機による景気低迷の度合いや回復の時期は引き続き不透明だとの認識を示した。

FSBは「世界的なリセッションは差し迫っているようで、世界経済の成長に長期的な打撃を与える恐れがある」とした。一部のセクターでは、活動が取り戻しが不可能なほど縮小する可能性があるとの見方を示した。

「過去の感染症の経済への影響は、新型コロナ感染症の影響がどの程度になるかについて、ほとんど手掛かりとならない。こうした状況により不透明感は高まり、投資家や消費者の信頼感が一段と揺らぐ」とした。

新型コロナの感染拡大により市場は混乱し、金融機関で働く大半の人が在宅勤務を余儀なくされているため、金融システムがぜい弱になる恐れがある、という。

国際基準と公平な競争の維持という目的に沿った形で、規制当局は危機下において、銀行の経済への資金提供を支援すると説明した。

「こうした措置で、規制改革が後退したり、現行の国際基準の基本的目的が損なわれることはない」とし、適切な時期に当局はFSBと連携し、一時的措置の解除を進めるとしている。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

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