中国の香港出先機関、米の優遇措置停止を「いじめ」と非難
ロイター / 2020年7月16日 16時31分
[香港 16日 ロイター] - 中国政府の出先機関である駐香港連絡弁公室(中連弁)は、トランプ米大統領が香港への優遇措置を廃止する大統領令に署名したことについて、香港に対する重大な干渉であり、「ギャングの論理でいじめだ」と非難した。
米国による措置は香港に大きな影響を及ぼさず、むしろ米国の利害を損なうとの見方も示した。
中連弁は15日遅くに出した声明で「米国による不当な干渉と恥知らずの脅しは典型的なギャングの論理で、いじめ行為だ」と非難。
その上で「いかなる外部勢力も、香港の長期的繁栄と安定のために国家の主権と安全を守る中国の決意と自信を妨げることはできない」と表明した。
中国当局によると、中国は米国の駐中国大使を呼び出し、米国の香港自治法成立に抗議した。
また親中派の民主建港協進連盟に所属する議員4人が16日、米国の香港総領事館前で抗議活動を行い、「中国の国内問題への介入」をやめるよう求めた。
香港政府は15日に発表した声明で、中国政府による米国へのいかなる対抗措置も支援すると表明。「米国が国内政治への配慮から人権、民主主義、自治を口実に(香港を巡る)問題をつくり、中国を攻撃するための措置を導入したのは偽善的だ」と批判した。
事情に詳しい関係筋によると、ホワイトハウスでは香港を巡る制裁の対象について話し合われているが、まだ最終決定には至っていない。一部のタカ派からは香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官らの名前が挙がっている。
これとは別に香港の民主活動家、羅冠聡(ネイサン・ロー)氏は15日、現時点で自身はロンドンにおり安全だと表明。ただ、中国の香港国家安全維持法が域外にも及ぶことは「恐ろしい」として、英国政府にさらなる支援を求めた。
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