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NY市場サマリー(16日)ドル上昇、10年債利回り5カ月ぶり高水準 株まちまち

ロイター / 2024年4月17日 7時31分

<為替> ドルが上昇。対円で一時154.79円と、34年ぶりの高値を付けたほか、対ユーロでも5カ月ぶり高値を更新した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、高水準の金利をより長期間維持する必要がある可能性に言及したことが材料視された。

パウエル氏は16日、ワシントンで行われたイベントで「最近のデータは明らかにわれわれに自信を与えるものではなく、むしろその自信を得るには予想よりも長い時間がかかる可能性が高いことを示している」と指摘。インフレの2%回帰に向けた「一段の進展の欠如」や労働市場の力強さ踏まえ「制約的な政策がさらに時間をかけ効果を発揮することを容認し、データや変化する見通しに依存することが適切」と述べた。

最近発表された好調な米経済指標受け、米利下げ観測は後退。現時点で、金融市場では2回以下の0.25%ポイント利下げが見込まれている。また、利下げ開始は9月になる公算が大きいという見方が大勢。

イスラエルとイラン間の地政学的緊張の高まりを背景に、安全資産としてのドルへの投資妙味も増している。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.04%高の106.24。一時、昨年11月1日以来の高値となる106.51を付ける場面もあった。

パウエル議長の発言を受け、ユーロ/ドルは一時11月2日以来の安値となる1.06013ドルに沈んだ。ただその後切り返し、0.08%高の1.0631ドルとなった。

ドル/円は終盤、0.23%高の154.62円。ドルは34年ぶりの高値を付けた後、数分間で154.76円近辺から153.90円に急落したため、介入を巡る懸念が高まった。

鈴木俊一財務相は16日、為替円安に関して「今の動きをしっかりと注視している。必要に応じて万全の対応をしていく」と語った。    

日本の金融当局者が介入への警告を強めているものの、ソシエテ・ジェネラルのコーポレートリサーチ・FX・金利部門責任者ケネス・ブルー氏は「介入は下落ペースを管理することはできるが、トレンドを変えることはできず、コストもかかる」と指摘。「米債利回りが上昇し続ける限り、利回り格差の拡大との戦いとなり、大きな成功を収めることはできないだろう」と述べた。

豪ドル/米ドルは一時、11月14日以来の安値となる0.63895米ドルを付けた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.31%安の6万2873.63ドル。 

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 指標10年債利回りが5カ月ぶりの高水準を付けた。世界経済の力強さが示され、米利下げ期待が後退した。

パウエルFRB議長は16日、予想を上回るインフレ率を示す一連の経済指標を受け、FRBがインフレ2%回帰を確信するにはこれまで予想していたよりも長い時間が必要になる可能性が高いと指摘。インフレ率の上昇が続く場合は、必要な期間、現行金利を維持することが可能とした。

短期金利先物市場では、年末までに合計42ベーシスポイント(bp)の利下げが実施されるとの見方が織り込まれている。前日は48bpだった。

また、FRBのジェファーソン副議長は16日の講演で、インフレが予想通りに減速しない場合は現在の金融引き締め姿勢をより長期間維持することが適切だと述べた。利下げには言及しなかった。

LPLフィナンシャルのチーフ債券ストラテジスト、ローレンス・ギラム氏は、先週の予想を上回るインフレ指標以来、米債市場の強気派にとって注目する材料がほとんどなく、FRB当局者の発言に対する市場の注目が高まっていると指摘。この勢いを止めるものはなく、利回りは一段と上昇する可能性が高いとした。

一方、スイスクオートバンクのシニアアナリスト、イペック・オズカルデスカヤ氏は、第1・四半期の中国経済が予想を上回る成長になったことで、インフレ再加速が懸念され、米債利回りの上昇圧力は続くとした。

中国国家統計局が16日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.3%増と、市場予想を上回った。

オズカルデスカヤ氏は「経済成長と労働市場が引き続き堅調で、インフレが加速すれば、FRBの次の動きは利上げになるという考えが多くの投資家の頭の中で芽生え始める」とした。

10年債利回りは3.7bp上昇の4.665%と、11月13日以来の高水準を記録。30年債利回りは2.9bp上昇の4.769 %だった。

2年債利回りは3.4bp上昇の4.972%と、4月11日に付けた5カ月ぶりの高水準に接近した。

2・10年債の利回り格差はマイナス30.9bpだった。     

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> S&P総合500種とナスダック総合が3日続落。米国債利回りが上昇する中、方向感の出ない展開となった。米経済が堅調に推移する一方でインフレ圧力が根強く継続しており、市場では金利の道筋を見極めようとする動きが広がった。

パウエルFRB議長はこの日、インフレの2%回帰に向けた「一段の進展の欠如」を踏まえ、予想されていたよりも長期間、高水準の金利を維持する可能性に言及。米利下げ期待が後退したことで、米金融・債券市場では10年債利回りが5カ月ぶりの高水準を付けた。 

シエラ・ミューチュアル・ファンズのジェームズ・セント・オービン最高投資責任者(CIO)は、投資家が「二面的な材料の間でバランスを取ろうとしている。米経済成長率はかなり好調なもようだが、インフレと金利の動向がゆくゆくは株式市場にとって問題になる見通し」と指摘した。

S&P500とナスダック総合は先月付けた過去最高値からの下げ幅が4%近くに達した。

ダウ工業株30種は小反発。医療保険・医療サービス大手ユナイテッド・ヘルス・グループが発表した予想を上回る四半期決算が押し上げ材料となった。

S&P500の主要セクターでは不動産と公益事業の下げが目立った。

金融大手モルガン・スタンレーは2.5%上昇。この日発表した第1・四半期決算は利益が予想を上回った。投資銀行業務の回復と資産管理業務の伸びが寄与した。

バンク・オブ・アメリカは3.5%下落。第1・四半期決算は貸倒引当金の積み増しにより減益となった。

医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は2.1%安で終了。第1・四半期の売上高が市場予想を下回った。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 中東情勢懸念でリスク回避の金買いが優勢となり、4営業日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比24.80ドル(1.04%)高の1オンス=2407.80ドルとなり、史上最高値を更新した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 中東情勢の悪化に伴う過度の供給不安が後退する中、需要先行き懸念が重しとなり、小幅続落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.05ドル(0.06%)安の1バレル=85.36ドルとなった。6月物は0.03ドル安の84.83ドル。

イスラエルの戦時内閣は16日、イランによる前例のない対イスラエル攻撃への対抗措置について議論。イラン領土内を攻撃するとの報道がある一方、米国などが自制を求めていることから限定的な攻撃にとどまるとの見方も根強い。イスラエルの対抗措置が原油の供給混乱に拡大するとの懸念がやや後退し、買いの流れは一巡した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 154.71/154.72

始値 154.58

高値 154.78

安値 153.92

ユーロ/ドル NY終値 1.0617/1.0621

始値 1.0625

高値 1.0653

安値 1.0602

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 91*26.50 4.7657%

前営業日終値 92*07.00 4.7400%

10年債(指標銘柄) 17時04分 94*24.50 4.6695%

前営業日終値 95*02.50 4.6280%

5年債(指標銘柄) 17時05分 97*15.75 4.6979%

前営業日終値 97*23.00 4.6450%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*03.38 4.9850%

前営業日終値 99*06.13 4.9380%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 37798.97 +63.86 +0.17

前営業日終値 37735.11

ナスダック総合 15865.25 -19.77 -0.12

前営業日終値 15885.02

S&P総合500種 5051.41 -10.41 -0.21

前営業日終値 5061.82

COMEX金 6月限 2407.8 +24.8

前営業日終値 2383.0

COMEX銀 5月限 2837.6 ‐34.1

前営業日終値 2871.7

北海ブレント 6月限 90.02 ‐0.08

前営業日終値 90.10

米WTI先物 5月限 85.36 ‐0.05

前営業日終値 85.41

CRB商品指数 296.8366 ‐1.3448

前営業日終値 298.1814

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