中国人民銀、MLF金利引き下げ 新型肺炎に対応し景気を下支え
ロイター / 2020年2月17日 13時16分
2月17日、中国人民銀行(中央銀行)は、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて金融機関に2000億元(286億5000万ドル)を供給した。北京の人民銀で2018年9月撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)
[上海 17日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は17日、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて金融機関に2000億元(286億5000万ドル)を供給した。金利は10ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.15%とした。
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が企業活動を停滞させており、当局は国内経済への悪影響を抑える姿勢を鮮明にしている。
17日に満期を迎えるMLF融資はない。
人民銀は今月初め、リバースレポ金利を市場の予想に反して10bp引き下げている。
MLF金利の引き下げを受け、銀行貸し出しの指標金利であるローンプライムレート(LPR)も引き下げるとみられる。LPRは毎月20日に発表される。
人民銀はまた、17日にリバースレポを通じて1000億元を供給したと明らかにした。同日は計1兆元のリバースレポが満期を迎えるため、差し引き7000億元を吸収したことになる。
MLF金利の引き下げを受けて、中国株式市場は上昇。他のアジア株の支援要因となっている。
人民銀行は今回の決定について、リバースレポが満期を迎えることなどに対応して「適度に潤沢な」流動性を銀行システムに供給することが目的だと説明。金利を引き下げた具体的な理由は明らかにしなかった。
市場関係者は、リバースレポ金利の引き下げに続き、MLF金利も引き下げられたことから、中・長期の貸出金利が低下すると予想している。
一部のアナリストは、新型ウイルスの影響で、第1・四半期の中国経済が前期比でマイナス成長に陥る可能性があると指摘。
キャピタル・エコノミクスはリポートで「V字型回復の可能性は数日前に比べて低下したとみられる」との見方を示した。
アナリストの間では、感染拡大に近く歯止めがかかれば、第2・四半期に景気が急回復するとの見方が多いが、今後数カ月、製造業・サービス業への影響が続く可能性も指摘されている。
方正証券のチーフエコノミストは「人民銀行は、短期の安定化策から、企業の中長期の資金ニーズの支援に軸足を移すだろう」と指摘。対象を絞った預金準備率の引き下げが月末にあるとの見方を示した。
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