トランプ氏の国務省監察官解任、違法の可能性も=ペロシ下院議長
ロイター / 2020年5月18日 7時31分
5月17日、米野党・民主党のペロシ下院議長はトランプ大統領による国務省のリニック監察官の解任について、リニック氏が着手した調査に報復するための行為であれば「違法の可能性がある」との見方を示した。14日撮影(2020年 ロイター/Erin Scott)
[ワシントン 17日 ロイター] - 米野党・民主党のペロシ下院議長は17日、トランプ大統領による国務省のリニック監察官の解任について、リニック氏が着手した調査に報復するための行為であれば「違法の可能性がある」との見方を示した。
トランプ氏は15日にリニック監察官の解任を通知。4月初め以来、トランプ氏に解任された4人目の監察官となった。
ペロシ氏はCNNの番組で「大統領は連邦政府職員を解任する権限があるが、今回の解任はリニック監察官による調査への報復行為と思われ、そうならば違法の可能性がある」と述べた。
上下両院の外交委員会の主要民主党議員は16日、リニック監察官の解任について調査を開始。同監察官が「ポンペオ国務長官による不正の調査に着手」したため、ポンペオ氏が個人的にリニック氏の解任を進言した疑いがあると説明した。
国務省の報道官はリニック監察官が解任されたと認めたが、ポンペオ氏の関与についてはコメントしなかった。
一方、ナバロ大統領補佐官はABCの番組で、いわゆる「ディープステート(闇の政府)」が大きな問題となってきたため、今回の解任は「適切で、残念とは思っていない」と表明。政府内に官僚主義が存在しており、多くの官僚はトランプ氏を選挙で選ばれた大統領として認めていないとの見方を示した。
トランプ氏と側近らはかねてから、高級官僚がトランプ氏の弱体化を図っているとの陰謀説を唱えてきた。
一方、民主党はトランプ大統領が自身への脅威となる監察官を相次ぎ解任していることに警鐘を鳴らしており、ナバロ氏の発言を受けて民主党がさらに批判を強める可能性がある。
トランプ氏は4月に新型コロナウイルスに対応した景気対策の監視役に任命されていた国防総省のグレン・ファイン監察官を解任。また、米情報機関の監視役であるアトキンソン監察官の解任も議会に通知した。アトキンソン氏は大統領の弾劾調査の発端となったウクライナ疑惑の内部告発状を議会に通知した人物。[nL4N2BW150][nL4N2BU0XL]
トランプ氏は今月に入り、厚生省のクリスティ・グリム副監察総監も解任。トランプ氏は、グリム氏が新型コロナウイルス感染者の治療で物資不足に陥っている病院について「偽の書類」を作成したと主張していた。
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