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「砂漠のダボス会議」に影、イスラエルとハマスの衝突で

ロイター / 2023年10月17日 14時3分

サウジアラビアは24―26日、「砂漠のダボス会議」と呼ばれる「未来投資イニシアチブ」(FII)の第7回会合を首都リヤドで開催する。写真は昨年10月のFIIで撮影。(2023年 ロイター/ Ahmed Yosri/File Photo)

Pesha Magid Rachna Uppal

[リヤド 16日 ロイター] - サウジアラビアは24―26日、「砂漠のダボス会議」と呼ばれる「未来投資イニシアチブ」(FII)の第7回会合を首都リヤドで開催する。西側諸国の企業だろうと、中国企業だろうと外国の投資家の関心を引きつけることが狙いだが、イスラエルとイスラム組織ハマスの武力衝突が影を差しそうな情勢だ。

サウジは数千億ドルを投入し石油依存体質の経済構造を大きく変える計画「ビジョン2030」を遂行中だが、今回の武力衝突が中東地域の政情不安となる恐れが出てきた。

FII主催者側がロイターに明らかにしたところでは、来週の会合に5000人超が出席を登録しており、見送りは2人にとどまっている。その上で「武力衝突が起きたからこそ、企業リーダーや政治家が一堂に会し、人類の前に立ちはだかる地球的規模の問題に取り組むことがいかに重要かが明らかになった」と強調した。

スイス金融大手UBSは中東出張を禁止したものの、FII出席は例外扱いにしている。ペルシャ湾岸地域の銀行関係者数名もキャンセルしないつもりだと話した。

ただ、イスラエルとハマスの武力衝突を契機に戦闘地域が周辺に拡大すれば、こうした状況は変わり得る。ある中国の講演者は既に中国からの出席予定の数人がちゅうちょしているとロイターに明らかにした。

サウジは歴史的に豊かな資金源となっており、LSEGのデータによると、中東・北アフリカ地域(MENA)から昨年支払われた投資銀行業務の手数料のうち約40%をサウジアラビアが占めた。

サウジの実権を握るムハンマド皇太子は地政学的な位置づけを向上させようと躍起だ。投資や貿易の協定を重視し、中東での旧来の敵国との間で対話と緊張緩和を模索することに加え、バイデン米政権との緊張を念頭に置きつつも東側諸国との連携に比重を置いてきた。

今回のFIIではサウジの東方シフトが鮮明化する見通し。主催側によると講演者のうちアジア地域出身者は70人で、うち40人が中国人だ。インドの財閥大手リライアンス・インダストリーズ会長で大富豪のムケシュ・アンバニ氏のほか、中国のセコイア・チャイナを率いるニール・シェン氏らが登壇する。

ニューヨークのウォール街の大物であるJPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)やシティグループのジェーン・フレイザーCEOも出席する予定だ。

今回の衝突が始まって以降のサウジのドル建てソブリン債についてキャピタル・エコノミクスのエマージング市場エコノミスト、ジェームズ・スワンストン氏は、米国債に対するスプレッドがわずか20ベーシスポイントの拡大にとどまり、依然水準は低いと指摘した。ただ「武力衝突が周辺地域に波及する可能性があるかどうかが注視されるだろう」と付け加えた。

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