米メタ、欧州でのＡＩモデル導入見合わせ アイルランドの要求で

米メタ・プラットフォームズは１４日、欧州における同社の人工知能（ＡＩ）モデル「メタＡＩ」の導入を当面見合わせると発表した。写真は同社のロゴ。ドイツのハノーバーで４月撮影（２０２４年　ロイター/Annegret Hilse）

Foo Yun Chee

[ブリュッセル １４日 ロイター] - 米メタ・プラットフォームズは１４日、欧州における同社の人工知能（ＡＩ）モデル「メタＡＩ」の導入を当面見合わせると発表した。アイルランド・データ保護委員会（ＤＰＣ）が同社に、フェイスブックとインスタグラムの成人利用者が投稿したコンテンツを同社の大規模言語モデルの訓練に利用することを遅らせるよう要求したため。

メタはブログへの投稿で、同社は規制当局の意見を取り込んできただけに、「ＤＰＣからの要求に失望した」と表明した。ＤＰＣの要求は欧州におけるイノベーションとＡＩ開発を後退させる一歩になると指摘。「単純に言うと、現地の情報を取り込めなければ、当社は二流の経験しか提供できない」と訴えた。

ＤＰＣは、ＡＩモデルの導入を見合わせたメタの判断を歓迎すると表明した。

一方、プライバシー保護団体ＮＯＹＢは、メタが自社のＡＩモデルを訓練する計画について欧州１１カ国のデータ保護当局に差し止めを求めている。問題となっているのは、メタがＡＩモデルの訓練に利用者の合意を得ずに個人情報と利用する点にある

ＮＯＹＢのマックス・シュレムス会長は、同社の差し止め請求がメタのＡＩモデル導入見合わせの一因になったとの見方を示した。