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トランプ氏暗殺未遂容疑者、かつての支持後悔も 重罪など犯罪歴

ロイター / 2024年9月17日 14時9分

 9月16日、トランプ前大統領の暗殺未遂とみられる事件を巡り拘束されたライアン・ラウス容疑者(58)が、銃不法所持の疑いで訴追された。写真はラウス容疑者とみられる人物、キエフで2022年5月撮影(2024年 ロイター/Gleb Garanich)

Jonathan Allen Brad Brooks Andrew Hay

[16日 ロイター] - トランプ前大統領の暗殺未遂とみられる事件を巡り拘束されたライアン・ラウス容疑者(58)が16日、銃不法所持の疑いで訴追された。当局は動機に言及していないが、屋根の工事業者だった容疑者は過去に銃器関連の重罪で有罪判決を受けたほか、ロシアの侵攻を受けるウクライナを強く支持していたとみられる。

交流サイト(SNS)でバイデン大統領をやゆしたことがあり、2023年に自費出版した本では16年大統領選でトランプ氏に投票したことを示唆した。だがその後、トランプ氏支持は「ひどい間違い」だったとし、さまざまな場面で前大統領を「愚か者」などと批判した。

トランプ政権が18年にイラン核合意から離脱したことを巡り、イランに向けて「あなた方がトランプを暗殺するのは自由だ」と書き込んだ。

ウクライナ戦争に関する自著では、世界中で民主主義を守る必要があると訴え、米国も21年1月6日に「ドナルド・トランプとその非民主的な一味が起こした惨事」を経験したと記した。

裁判所の記録によると、ラウス容疑者には過去に交通法違反や税金滞納などの法令違反があったが、02年にノースカロライナ州で重罪とされる未登録の自動銃所持の罪を認めたことを受け、銃を保有する権利を失った。

米連邦捜査局(FBI)は16日、ラウス容疑者が重罪犯にもかかわらず、連邦法で禁止された銃器所持をしているとの通報を19年に受けていたと明らかにした。ただ、通報者はその後の調べで情報を確認せず、FBIは容疑者が18年に転居したハワイ州の地元当局に情報を伝えたという。

<ウクライナ、民主主義について投稿>

同じライアン・ラウスという名前のⅩとフェイスブック(FB)、リンクトインのアカウントでもウクライナを支持する投稿が見られた。FBとX上のプロファイルへのアクセスは事件の数時間後に削除された。

今年4月にはXで米実業家イーロン・マスク氏に「あなたからロケットを買いたい。黒海のプーチン(ロシア大統領)邸の地下壕に向けて弾頭を積み、彼を終わらせたい」とメッセージを送った。

米紙ニューヨーク・タイムズは、ウクライナ戦争に義勇兵として参加する米国人に関する記事のため23年にラウス容疑者に取材したという。容疑者は22年にウクライナに数カ月滞在し、イスラム主義組織タリバンから逃れたアフガニスタン兵を募集しようとしたと同紙に語った。

米義勇兵らの間では容疑者が奇妙な行動をしていたとの指摘もある。

ラウス容疑者はまた、20年のXへの投稿で大統領選の民主党候補指名を争っていたサンダース上院議員を支持し、バイデン氏を「寝ぼけたジョー」とやゆしていた。しかし今年、「@POTUS(バイデン大統領)、あなたの選挙運動は『KADAF(Keep America democratic and free=米国を民主的で自由に保とう)』のようなスローガンにすべきだ。アメリカを民主的で自由な国にしよう。トランプは『MASA(make Americans slaves again=米国人を再び奴隷にする)』主人」と呼ぶべきだ」とXに投稿。「選挙では民主主義が問われている、負けるわけにはいかない」と書き込んだ。

ノースカロライナ州の投票記録では、ラウス容疑者の所属政党は示されていないが、今年は民主党予備選で投票した。

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