中国当局、金融企業9社を公的管理下に
ロイター / 2020年7月18日 1時0分
7月17日、中国証券監督管理委員会(CSRC)と中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は投資会社トゥモロー・ホールディングスにつながりがある金融企業9社を公的管理下に置いた。中国経済が鈍化する中、当局はシステミックリスクを抑えるため、金融業界への取り締まりを強化している。写真は7月16日、北京で(2020年 ロイター/Tingshu Wang)
[上海/北京 17日 ロイター] - 中国証券監督管理委員会(CSRC)と中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は17日、投資会社トゥモロー・ホールディングスにつながりがある金融企業9社を公的管理下に置いた。中国経済が鈍化する中、当局はシステミックリスクを抑えるため、金融業界への取り締まりを強化している。
中国の登録事業の記録を見ると、管理下に置かれた中小企業の大半がトゥモロー・ホールディングスと所有権に関するつながりを持っている。金融の複合企業がもたらすシステミックリスクに対処するための政府の対策の一環としてトゥモロー・ホールディングスは取り締まり対象となっている。
9社へ電話で問い合わせたところ、誰も応じなかった。
規制当局によると管理期間は1年。
中国国務院国有資産監督管理委員会(国資委)は前日、システミックな問題を防ぐために、金融や不動産などの高リスクな業界の監督を強化すると述べた。
以前、トゥモロー・ホールディングスに関連する企業が公的管理下に置かれた際に、中国人民銀行(中央銀行)は、トゥモロー・ホールディングスを含む金融グループがもたらすシステミックリスクとして過剰な借り入れや保有金融企業からの調達資金の悪用を挙げた。
政府が主導した金融の複合企業に対する取り締まりの一環でトゥモロー・ホールディングスの会長は約3年前に取り調べを受けた。会長は17年以来、行方不明となっている。
当局は19年、かつてトゥモロー・ホールディングスの支配下にあった包商銀行[BAOTO.UL]に深刻な信用リスクがあるとして、同行を公的管理下に置いた。全国で事業展開していた包商銀行はその後、大幅に規模を縮小し、元々の本拠地である内モンゴル自治区で事業を再開した。
エバーブライト・セキュリティーズのアナリストは今回の規制当局の動きについて、投資家は当局による包商銀行関連の取り締まりの一環と捉える可能性が高く、市場に与える影響は限定的との見方を示した。
CSRCはニュー・タイムズ・セキュリティーズを含む3社について、株主情報の隠ぺいやその他の規制違反を理由に公的管理下に置いた。今回の取り締まりにより「リスクの波及」を防ぐことができると述べた。
CBIRCは6社について違反行為を指摘し公的管理下に置いた。中国金融メディアの財新によると、9社の資産総額は19年末までに1兆2000億元(1714億8000万ドル)を超える。CBIRCは「高リスク」と判断した個々の企業を管理下に置くことで金融部門の健全性を損なうことはないと述べた。
CSRCとCBIRCはこうした企業が公的管理下にある間、各社は通常営業を続けるとした。
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