1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

日産・内田新体制、荒天の船出 臨時株主総会で取締役4人を選任

ロイター / 2020年2月18日 14時16分

2月18日、日産自動車は、横浜市内で臨時株主総会を開いた。写真は日産のロゴ。東京モーターショーで2019年10月撮影(2020年 ロイター/Edgar Su)

[横浜 18日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は18日、横浜市内で臨時株主総会を開いた。内田誠・社長兼最高経営責任者(CEO)ら4人を取締役として新たに選任する議案が可決された。販売不振が深刻化し、2019年10―12月期は11年ぶりの最終赤字に転落、20年3月期期末配当も無配とした。内田新体制は厳しい荒波の中での船出となった。

内田社長は、期末配当見送りなどを「重く受け止めている」と陳謝。「業績が著しく落ちた責任はすべて社長の私にある」と述べた。経営トップの不正や経営の混乱で日産ブランドのイメージが毀損(きそん)しているが、業績やイメージの回復に向けて「もう少し時間をいただきたい」と理解を求めた。

株主からの質疑では、期末配当無配、業績悪化や株価下落などに対する厳しい批判が相次いだ。日産の株価は17日に一時498円と約11年ぶりに500円を割り込み、総会当日の18日もさらに下げる展開となっている。

ある株主は「次回の株主総会で株価が500円を切ったら経営責任を取れ」と要求。内田社長は、業績が悪化した際には「すべて私の責任、経営層の責任」と明言。「株主の目に見えるような形で会社のかじ取りを行うことをコミットする。代わりに今後そのような状況が見えない場合には、私をすぐにクビにしてほしい」とも語り、覚悟をみせた。

多くの株主から要求が相次いだ役員報酬カットに関して内田社長は「現時点で対応について申し上げることはできない」と明言を避けたが、5月に予定している修正版の中期経営計画発表時に「役員報酬の削減なども含めて説明する」と述べた。

臨時株主総会の開催は特別背任事件などで起訴された前会長カルロス・ゴーン被告を解任した昨年4月に続き、同一年度で2度目となる。日産の親会社で日産株式を4割超持つ仏自動車大手ルノー や三菱自動車<7211.T>との3社連合(アライアンス)をどう活用して業績改善を図るか、内田新体制の手腕が問われる。

新たな取締役には、日産から内田社長と坂本秀行副社長、ルノーのピエール・フリューリォ筆頭独立社外取締役、三菱自から招いた日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)の4人が選任された。坂本副社長は取締役候補だった副COOの関潤氏が就任から1カ月も経たずに辞任、退社したことに伴い、急きょ抜てきされた。

この日の臨時株主総会をもって、前社長兼CEOの西川広人氏、前COOの山内康裕氏は取締役から退任する。前ルノーCEOを解任されたティエリー・ボロレ氏は昨年11月11日付で辞任している。

4年前から5000株を保有する横浜市出身の年金生活者(79)は「配当の良さ」から日産株を購入したといい、期末配当の無配は「ずいぶん裏切られたという感じ」と落胆。「株は1200円くらいで買っているから今は売れない」と述べ、「新経営陣に期待することは全然ない」とあきらめの雰囲気だった。

(白木真紀  取材協力:新田裕貴)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください