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中国の一部の不動産会社、短期債発行 新型肺炎で資金繰り悪化

ロイター / 2020年2月18日 17時31分

 2月18日、中国の一部の不動産開発業者が、短期社債の発行に動いている。写真は北京の建設現場で昨年1月撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)

[香港 18日 ロイター] - 中国の一部の不動産開発業者が、短期社債の発行に動いている。新型肺炎の感染拡大で住宅販売が低迷し、資金繰りが厳しくなっていることが背景だ。

先月は多くの不動産開発業者が、最大12年物など長期の社債を発行できていたが、その後、状況は一変している。

広州を拠点とする中国奥園集団<3883.HK>は17日、期間363日の社債を発行し1億8800万ドルを調達。

春節以降、建業地産<0832.HK>など、少なくとも4社の不動産開発業者がオフショア市場で期間1年未満の社債を発行した。

建業地産は、新型肺炎の発生地とされる湖北省に隣接する河南省で事業を展開している。

現在、期間1年未満の社債は資金調達コストが安く、規制当局の認可も不要だが、市場が不安定になった場合、発行体の借り換えリスクは高まる。

上海に本社を置くある不動産開発業者の財務責任者は匿名を条件に「こうした短期債の発行が必要な企業は通常、資金繰りが悪化している。資金繰りに問題がなければ、期間の長い社債を発行するだろう。短期債を発行すれば、すぐに借り換えの心配をしなければならない」と述べた。

中国奥園集団の目論見書によると、同社は調達した資金をオフショア債の借り換えと一般運転資金に充てる。

建業地産は今月、期間364日の社債で調達した3億ドルを債務の借り換えに充当する予定だ。

中国の不動産市場は事実上、凍結状態にある。新型肺炎の感染拡大でモデルルームの営業は停止。潜在的な顧客も感染を恐れて外出を控えている。

ただ業界関係者は、感染者が少ない地域では経済活動が再開し、販売も近く通常の水準に戻ると予想。例年、第1・四半期は季節要因で販売が鈍るため、通年の利益に重大な影響はないとの見方を示している。

恒大集団<3333.HK>は16日、3日前に開始した全額返金や最低価格保証といったオンライン販促策で5万件近い物件を販売したことを明らかにした。

業界関係者によると、金融緩和で融資や起債の条件も改善している。一部の都市で不動産購入規制が抑制されていることも支援要因という。

格付け会社ムーディーズは先週、格付け対象の不動産開発業者について、大半は新型肺炎の影響に対応できる余裕があると分析。ただ、財務状態の悪い小規模事業者は、国内外の債券市場で借り換えコストが上がる見通しという。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

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