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FRBのCP市場支援策、不十分の声も 低格付け物に懸念

ロイター / 2020年3月18日 10時7分

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が17日に発表したコマーシャルペーパー(CP)市場への流動性供給策を巡り、一部投資家の間で不十分との見方が出るなど、評価はまちまちとなっている。

FRBは17日、新型コロナウイルス危機によるクレジット市場の緊張緩和に向け、2008年の金融危機時に導入したコマーシャルペーパー・ファンディング・ファシリティー(CPFF)を再び導入すると発表した。これにより、FRBは発行体から直接CPを購入する。

CP市場は企業にとって短期資金の調達先となっているが、流動性がここ数週間で枯渇していた。

ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのグローバルボンド共同責任者ニック・マロウツォス氏は、FRBの発表を受け、格付けの高いCPの価格が改善したと述べた。

16日の時点では、翌日物の高格付けCPと低格付けCPの金利差が2008年以来の水準に拡大していた。

一部の投資家は、新型コロナウイルスを巡る先行き不透明感から幅広い資産市場で動揺が続く中、CPFFの再開や最近発表されたその他の流動性支援策が金融システムの機能維持に十分かどうか懸念を示している。

信用リスクの比較的高い企業が発行する低格付けCPは、おおむね買い入れの対象から外れる。シティのアナリストはリポートで、こうした発行体が高格付けCPと比べて大幅に高いコストでFRBから借り入れることになる可能性を示唆した。また「徐々に悪化する問題に対し、十分迅速に対応できないのではないか」と懸念を示した。

借り入れコストについては、FRBは翌日物金利スワップ(OIS)に200ベーシスポイント(bp)上乗せした水準での貸し出しを提示。一部の予想より大幅な上乗せとなった。

レイモンド・ジェームズの首席フィクストインカム・ストラテジスト、ケビン・ギディス氏はこれについて「流動性に支払う価格としては非常に高い」とし、CPFFは容易に利用できる資金調達先というより、むしろ安全策の機能を果たす意図で導入されているのではないかとの見方を示した。

銀行セクターのリスク指標となるFRA/OISスプレッドは17日、FRBの発表後に15bp超拡大した。銀行との間で設定済みの融資枠を利用する企業が増え、銀行がストレスにさらされるとの見方が投資家の間で強まったためだ。

BMOキャピタル・マーケッツの米国金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏はこうした流れについて、FRBが望む方向性と逆だと指摘した。

FRBのウェブサイトに17日掲載されたデータによると、AA格付けCP の金利は0.76%、低格付けCP は3.05%。

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