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スバル社長「米国は楽観できず」、日本含めて15万台超減産

ロイター / 2020年5月18日 17時47分

SUBARU(スバル)の中村知美社長は18日、2020年3月期(前期)決算の電話会見で、米国市場の見通しについて「まだ申し上げられる段階にない。楽観視はしていない」と述べ、慎重な見方を示した。写真は2019年3月、スイスのジュネーブで撮影(2020年 ロイター/Pierre Albouy)

[東京 18日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>の中村知美社長は18日、2020年3月期(前期)決算の電話会見で、米国市場の見通しについて「まだ申し上げられる段階にない。楽観視はしていない」と述べ、慎重な見方を示した。米国は同社にとって販売台数の約7割を占める最大の市場。

米国は現在、新型コロナウイルスの感染者が140万人超、死亡者が8万人超と世界最多の感染国で、一部の地域では経済活動再開に向けた動きもみられるが、感染拡大第2波も懸念されている。

中村社長は、米国でも特にスバルの販売が強い地域で「(感染者の多い)レッドソーンが広がっており、販売店の6割がなんらかの制約を受けている」と説明。先行きをどうみるか「非常に悩んでいる」と話し、「需要が戻る手応えをしっかり確認した上で今期の販売計画をどう設定するか判断していきたい」と述べた。

また「米国一本足打法の構図はそう簡単に変えられない」としつつ、以前から進めている市場分散化を進め、商品展開との親和性がある中国、ロシア、豪州などでの拡販を強化したいとの意向を示した。

細谷和男副社長は、日米での減産規模が「15万台超」になるとの見通しを示した。日本で4月9日から5月1日まで、米国で3月23日から5月4日まで操業を一時停止、いずれも5月11日から再開した。ただ、国内は早番のみの1シフト、米国はペースを落とすなどして生産調整中で、細谷氏は国内1シフト体制を「6月19日までは続けざるを得ない」と語った。

岡田稔明専務はまた、感染第2波などに備えるため手元資金を確保したと説明した。長期借入れ400億円を含む計1000億円の資金調達のほか、コミットメントライン約2000億円、社債400億円とコマーシャルペーパー1000億円の発行枠を押さえたという。3月末時点の現金及び現金同等物は8590億円、有利子負債は2392億円。

<前期末配当を大幅下方修正、役員報酬カット>

18日に発表した前期当期利益(国際会計基準)は前の期に比べ7.9%増の1525億円だった。今後の資金需要など総合的に勘案し、期末配当は従来予想の1株当たり72円から28円に引き下げた。

新型コロナの影響が読めず合理的な算定が困難なため、21年3月期(今期)の業績予想・販売計画・配当予想の公表は見送った。リフィニティブがまとめたアナリスト15人による今期当期利益予想の平均は1172億円となっている。

中村社長は執行役員を対象に役員報酬を一定の割合で自主返納することも明らかにした。前期の業績連動報酬を5—30%の範囲で、今期は4—9月までの月額報酬の5%を自主返納する。中村社長は「減配を非常に重く受け止めている」と説明。一部の従業員には休日を取ってもらう「一時帰休」も強いており、従業員、株主などの痛みを「役員も分かち合う」と語った。

(白木真紀 編集:内田慎一)

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