米モデルナの新型コロナワクチン、初期治験で有望な結果
ロイター / 2020年5月19日 8時39分
バイオ医薬大手の米モデルナは18日、同社が開発を進める新型コロナウイルスワクチンが初期段階の小規模治験で有望な結果を示したと発表した。写真はイメージ。4月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)
[18日 ロイター] - バイオ医薬大手の米モデルナ
3月に開始した治験で、ワクチンを投与された健康なボランティアの被験者8人全員に抗体が検出された。総じて安全性も証明された。
治験では、投与されたワクチンの用量が100マイクログラムと25マイクログラムのどちらでも、新型コロナ感染症から回復した患者を超える水準の抗体が検出された。
治験の暫定結果の発表を受けて、同社の株価は約20%高で通常取引を終了。ただ、その後に同社がワクチン開発と生産の資金を調達するために12億5000万ドル相当の普通株を売り出す計画を発表したため、引け後の時間外取引で1.6%下落した。
ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターのアメッシュ・アダルジャ博士は「これは意義ある結果だが、まだ治験は第1段階で、対象は8人だけだった。有効性よりも安全性を確認するのが目的だった」と指摘した。同氏はモデルナのワクチン治験に関与していない。
新型コロナを巡っては、抗体の量がどれだけあれば感染を防げるのかや、感染予防の効果がどれだけ長く続くかについて、研究結果がまだ確立していない。
モデルナによると、今回の治験では、100マイクログラムのワクチンを投与された被験者で、それより少量を投与された被験者よりも多くの抗体が作られており、接種量と抗体の反応に相関が見られた。
同社のワクチンは、既に治験の第2段階に進むための承認を得ている。また、米食品医薬品局(FDA)は前週、ファストトラック(優先承認審査)対象に指定している。
同社は第2段階について、接種量を当初予定の250マイクログラムから50マイクログラムに変更すると明らかにした。将来的な生産本数を増やす狙いがある。
米政府は4月にモデルナのワクチン開発に対し、厚生省の生物医学先端研究開発局(BARDA)を通じて4億8300万ドルを資金援助している。
同社はこの資金によって、2020年に月間で数百万本の生産が可能になり、ワクチンの有効性が証明されれば、追加投資によって21年は月間で数千万本が生産できるようになるとした。
同社は今月、スイスの製薬会社・ロンザ・グループ
ザクス氏はまた、米国以外へのワクチン供給についても検討していると述べた。
モデルナは7月に大規模な第3段階(後期)の治験を開始する予定とした。
一方、初期段階の治験で報告された最も顕著な副作用は、被験者のうち3人が最大量を2回投与された後に示したインフルエンザに類似した症状だったという。同社は強い免疫応答の間接的な作用のようだと分析した。
*内容を追加して再送します。
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