豪5月失業率は7.1%、19年ぶり高水準 就業者数は22.7万人減
ロイター / 2020年6月18日 14時21分
6月18日、オーストラリア連邦統計局が発表した5月の雇用統計は、失業率が7.1%と2001年10月以来の高水準となった。写真はオーストラリアで3月撮影(2020年 ロイター/Loren Elliott)
[シドニー 18日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が18日発表した5月の雇用統計は、失業率が7.1%と2001年10月以来の高水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)の影響で、就業者数は前月比22万7000人減少した。
ロイターがまとめた市場予想は失業率が7.0%、就業者数は10万人減だった。
4月の就業者数は約60万人減少し、過去最大の落ち込みを記録していた。4月の失業率は6.4%(改定値)だった。
労働参加率は4月の63.6%から62.9%へ低下した。政府が新型コロナ対策で給与補填(ほてん)を行ったため、職探しをする人が減ったことが背景にある。統計局は、政府の給与補填(ほてん)措置がなければ失業率は11.3%に達していたと指摘した。
BISオックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、サラ・ハンター氏は「まだ早い段階だが、労働市場にとって5月が最悪の月になる兆候がある」と述べ、求人広告件数の改善を指摘した。
その上で「失業の規模を踏まえると、労働市場が完全に回復するまでには数年かかる見通しだ」と語った。
労働時間が短縮された、あるいはゼロだった就業者数は155万人と4月の180万人から減少した。労働時間ゼロの就業者数は36万人に半減した。
オーストラリアは約30年ぶりのリセッション(景気後退)に直面しており、豪準備銀行(RBA、中央銀行)は失業率が6月までに10%に達し、来年を通じて高止まりすると予想している。
キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、マルセル・ティーリアント氏はリサーチノートで、失業率について「今後それほど上昇しない可能性はあるが、労働参加率の改善により当面、高水準を維持するだろう」と述べた。
モリソン首相はキャンベラで記者団に、ロックダウンが雇用にもたらした打撃は「過酷な」ものだと指摘し「現在は暗い時期だが私には一筋の光が見える。国民に見えると信じている」と述べた。
*内容を追加しました。
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