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米、メキシコ元国防相への起訴取り下げ 二国間関係に配慮

ロイター / 2020年11月18日 14時13分

 11月17日、米司法省とメキシコ司法長官局は、麻薬取引などに関与したとして米国で身柄を拘束されたメキシコ元国防相のシエンフエゴス氏(72、写真)について、米検察が起訴を取り下げ、メキシコ側に調査を委ねると発表した。写真はメキシコシティ で2016年9月撮影(2020年 ロイター/Henry Romero)

[メキシコ市/ワシントン 17日 ロイター] - 米司法省とメキシコ司法長官局は17日、麻薬取引などに関与したとして米国で身柄を拘束されたメキシコ元国防相のシエンフエゴス氏(72)について、米検察が起訴を取り下げ、メキシコ側に調査を委ねると発表した。外交的な配慮による措置としている。

米検察は裁判所への文書で「米国は、センシティブで重要な外交政策上の配慮が、政府の被告訴追への関心を上回ると決定した」と説明した。

米当局によると、シエンフエゴス氏は米で起訴が取り下げられれば、自主的にメキシコに帰国することにすでに合意した。

シエンフエゴス氏は軍のトップを務め、ペニャニエト前政権で2012年から18年まで国防相を務めた。

米当局は、同氏がメキシコで自身の権限を利用して麻薬カルテルの一派を対立グループから守り、対立グループの掃討を指示したと主張。同氏は今月、罪状を否定していた。

同氏は、麻薬密輸やマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして昨年10月にロサンゼルス空港で身柄を拘束された。同氏の逮捕や調査は、メキシコ側に事前に通知されておらず、同国の防衛関係高官の間で動揺が広がった。

メキシコのロペスオブラドール大統領は、対抗措置として、米麻薬取締局(DEA)がメキシコで活動できるようにする協力合意を見直すと警告。バー米司法長官やDEAとメキシコ当局とで事態打開の道を探っていた。

起訴取り下げの発表を受け、メキシコのエブラルド外相は、米の起訴取り下げは前例がなく、メキシコの主権とメキシコ軍に対する敬意を象徴すると述べ、今回の措置を受け、両国の安全保障面の協力が進展し得ると指摘した。

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