ＥＣＢ、デジタルユーロ発行に向け2年の準備フェーズ開始へ

　欧州中央銀行（ＥＣＢ）は１０月１８日、中央銀行デジタル通貨（ＣＢＤＣ）のデジタルユーロの発行に向けて、１１月１日から２年間の「準備フェーズ」を開始すると発表した。写真は、コソボで出回っている偽２ユーロ硬貨を検査する現地専門家。９月１９日撮影（２０２３年　ロイター/Laura Hasani）

Francesco Canepa

[フランクフルト １８日 ロイター] - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）は１８日、中央銀行デジタル通貨（ＣＢＤＣ）のデジタルユーロの発行に向けて、１１月１日から２年間の「準備フェーズ」を開始すると発表した。この間に規制の枠組みを取りまとめ、民間セクターのパートナー選びを進めるとともに、試験的な取引などを行う。

ＥＣＢによると、２年後には理事会が、次のフェーズに入って将来のデジタルユーロ発行に道を開くかどうかを決定することになる。

主要７カ国（Ｇ７）の中央銀行の間では、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）やイングランド銀行、カナダ銀行などはいずれもＣＢＤＣについて慎重姿勢を維持。現時点で先行しているＥＣＢの取り組みが、他のＧ７諸国のモデルケースになる可能性もある。

ＥＣＢは自らが関与することで、民間企業が発行するよりも安全なデジタル通貨を導入したい考え。デジタルユーロが登場すれば、米国のクレジットカード業界が牛耳る決済市場での競争力を高められるとの期待もある。

一方でデジタル通貨については、商業銀行から預金を流出させる恐れがあるとの懸念も出ている。