米FRB高官、利下げに慎重姿勢 最近のデータには満足示す
ロイター / 2024年6月19日 8時53分
6月18日、 米連邦準備理事会(FRB)高官は最近のデータに満足しつつ、インフレ鈍化をさらに確認したいとして、利下げに慎重な姿勢を示した。写真はワシントンのFRB本部前で2022年6月撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)
Ann Saphir Lindsay Dunsmuir
[18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)高官は最近のデータに満足しつつ、インフレ鈍化をさらに確認したいとして、利下げに慎重な姿勢を示した。
クーグラーFRB理事は、インフレ低下の兆しが出ているとの認識を示し、インフレ率は現時点でなお高すぎるものの、経済情勢が「正しい方向」に進み続ける限り、年内の利下げ開始が適切になると述べた。
ただ、FRBの2つの責務の双方に依然としてリスクが残っており、これまでのインフレ対策での進展を犠牲にしないよう利下げを進める前に注意する必要があるとの見解を表明。FRBが7月の次回会合でなぜ利下げすべきでないのかとの質問に対し、インフレ対策でこれまで達成された「大きな進展」を危険にさらすことはないと政策当局者が「確信する必要がある」とした。
シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、インフレの落ち着きを示唆する5月の米消費者物価指数(CPI)は「素晴らしい」とし、インフレが年内にさらに鈍化する可能性があるという見解を示した。
他の高官はもう少し懐疑的だ。
ダラス地区連銀のローガン総裁は、インフレが鈍化していることを示す最近のデータは「歓迎すべきニュース」だが、「インフレ率2%回帰見通しに本当に自信を持つには、あと数カ月分のデータを見る必要がある」と指摘。「われわれはデータを観察し、忍耐強くいられる柔軟な立場にある」と述べた。
セントルイス地区連銀のムサレム総裁は、FRBはインフレ低下、需要緩和、供給拡大が「数カ月、または数四半期」にわたって続いたと確認してから利下げに踏み切るべきとの考えを示した。
<指標次第>
18日に発言したFRB高官は、いずれも今後発表される経済指標に基づいて決定するという姿勢を強調した。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、政策金利は徐々に低下していくと述べた。ただ政策の正確な道筋を巡る「予測を示すつもりはない」と指摘。「経済指標がどう推移するかによる」とした。
ボストン地区連銀のコリンズ総裁は、金融政策を適切に運営するには入手される経済指標を系統的、かつ総合的に検証しなければならず、「引き続き忍耐が必要」と指摘。物価圧力の緩和を示す一段の証拠が必要になるため、今は利下げに動く時期ではないとの考えを示した。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、FRBによる利下げ支持を検討する前にさらに数カ月分の経済データを分析する必要があると述べた。
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