欧州委員長が採決控え議会演説、防衛強化と気候変動対策の継続表明

２期目を目指す欧州連合（ＥＵ）欧州委員会のフォンデアライエン委員長は１８日、欧州議会で演説し、「欧州防衛連合」を創設し、産業界への負担を軽減しつつ欧州のグリーン転換を進めると表明した。１８日撮影。（2024年　ロイター/Johanna Geron）

Kate Abnett　Marta Fiorin

[ストラスブール １８日 ロイター] - ２期目を目指す欧州連合（ＥＵ）欧州委員会のフォンデアライエン委員長は１８日、欧州議会で演説し、「欧州防衛連合」を創設し、産業界への負担を軽減しつつ欧州のグリーン転換を進めると表明した。

欧州議会ではこの後、同委員長の２期目就任を巡り採決が行われる。

フォンデアライエン氏は「次の５年間で今後５０年間の世界における欧州の位置付けが決まる。われわれが自ら未来を形作るのか、それとも周りによって作られるのかが決まる」と述べ、支持を訴えた。

ウクライナがロシアの侵攻と戦う限りウクライナを支援し続けると表明した。欧州の自由が危機にひんしており、防衛にさらなる投資をしなければならないと強調した。

ドイツの元国防相であるフォンデアライエン氏は「真の欧州防衛連合」を創設し、航空防衛とサイバー防衛に関する主要プロジェクトを推進する方針を示した。

ハンガリーのオルバン首相がロシアを訪問しプーチン大統領と会談したことについて、「融和使節団」だと批判し、議員から大きな拍手を浴びた。

また１期目の主要政策の一つである気候変動対策「欧州グリーンディール」の目標を堅持することを約束した。２０４０年までに排出量を９０％削減するという目標も維持する。

欧州の産業が温室効果ガスの排出量削減に投資しつつ競争力を維持できるように新たな支援策を約束した。