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ヒズボラ通信機器爆発、イスラエルが台湾製端末に爆発物=関係筋

ロイター / 2024年9月18日 12時12分

レバノンで17日、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの戦闘員らが利用しているポケットベルのような通信機器の爆発が相次いだことを巡り、同国の治安当局高官と別の関係者はイスラエルの情報機関モサドが数カ月前に、ヒズボラが発注した台湾製機器5000個の内部に少量の爆発物を埋め込んだとの見方を示した。写真は9月17日、ベイルートで撮影(2024年 ロイター/Mohamed Azakir)

Laila Bassam Maya Gebeily

[ベイルート 18日 ロイター] - レバノンで17日、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの戦闘員らが利用しているポケットベルのような通信機器の爆発が相次いだことを巡り、同国の治安当局高官と別の関係者はイスラエルの情報機関モサドが数カ月前に、ヒズボラが発注した台湾製機器5000個の内部に少量の爆発物を埋め込んだとの見方を示した。

治安当局高官によると、ヒズボラは台湾のゴールド・アポロというメーカーが製造した通信機器5000個を発注。複数の関係者によれば、機器は今春にレバノンに持ち込まれたという。

同高官はこの機器のモデル「AP924」の写真を確認した。その上で、モサドによって機器が「製造レベル」で改造されたとし、「モサドはコードを受信する爆発物を搭載した基板を内部に埋め込んだ。どのような手段でも検知するのは難しい。どんな装置やスキャナーを使ってもだ」と語った。コード化されたメッセージが送られて同時に爆発物が作動し、3000個の機器が爆発したという。

別の治安筋は最大3グラムの爆発物が機器内に隠され、数カ月間ヒズボラに検知されなかったと語った。

破壊された機器の画像をロイターが分析したところ、ゴールド・アポロ製のポケベルと一致する形式や背面のステッカーが写っていた。

ただ、ゴールド・アポロの創業者は18日、記者団に対し、爆発した通信機器を製造したのは同社ではなく、同社のブランドの使用権を持つ欧州企業だと説明。「製品は当社のものではない。当社のブランド名が記載されているだけだ」と述べた。製品を生産した欧州企業の名前は明かさなかった。

<携帯電話は危険とヒズボラ指導者>

関係筋が今年ロイターに述べたところによると、ヒズボラ戦闘員はイスラエルによる位置追跡を回避するためローテク通信手段としてポケベルを使用していた。

ヒズボラは今年2月、組織の情報インフラの欠陥を補う狙いで戦闘計画を策定した。当時、イスラエルによる攻撃で既に約170人の戦闘員が殺害されていた。

ヒズボラ指導者ナスララ師は同月の演説で支持者に対し、携帯電話はイスラエルのスパイより危険だとし、電話機を壊すか埋めるか、鉄の箱にしまうべきだと警告。同グループは戦闘員や医療スタッフなどメンバーにポケベルを配布することを決定した。

イスラエルのガラント国防相は今週、オースティン米国防長官と電話会談し、ヒズボラとの対立を外交的に解決する窓は閉ざされつつあると述べた。

ただ、専門家は今回の爆発について、イスラエルが近く地上攻撃に乗り出すことを示す兆候ではなく、ヒズボラ内部に深く侵入できるイスラエル情報機関の能力を示していると指摘した。

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