NY市場サマリー(18日)大幅利下げで米国株は一時買い優勢、ドル小幅高、長短金利差2年ぶり水準に拡大
ロイター / 2024年9月19日 7時41分
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、不安定な取引の中、ドルが小幅上昇した。米連邦準備理事会(FRB)はこの日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.5%ポイント引き下げた。
ドル指数は前日比0.05%高の100.970。一時は100.21と、2023年7月以来の安値を付けた。
ユーロ/ドルは0.01%安の1.111275ドル。ドル/円は横ばいの142.370円。
FRBの決定を受けてフェデラルファンド(FF)金利先物市場では、今年の追加利下げを約70ベーシスポイント(bp)と織り込んでいる。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は記者会見で、景気後退や経済低迷の兆候は見られないと述べた。
<債券> 米金融・債券市場では、国債イールドカーブが2022年7月以来で最もスティープ化した水準となった。この日、米連邦準備理事会(FRB)が50ベーシスポイント(bp)の大幅利下げを決定したことを受けた。
2年債と10年債の利回り格差は一時、10.2bpまで拡大。取引終盤では8.6bpとなった。
FRBは声明で「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めており、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡していると判断する」とした。
グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「FRBは、自分たちが適切な判断を下しており、ある程度コントロールしていることを示したいと考えているようだ」と指摘。今後も利下げの余地は大いにあると述べた。
USバンクのシニア投資ストラテジスト、トム・ヘインリン氏は「重要なのは0.50%ポイント利下げの背後にあるメッセージ」とし、「経済の潜在的な減速を非常に懸念している」というメッセージではなかったと指摘。利下げが「必ずしも悪要因に対する予防策ではなく、FRBはむしろ金利を高水準から引き下げる機会と感じているようだ」という見方を示した。
<株式> 米国株式市場は小幅安で取引を終えた。連邦準備理事会(FRB)は、18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で4年半ぶりとなる利下げを決めた。利下げ幅は通常の倍となる0.5%とした。
不安定な取引の中、S&P総合500種は小幅な上げ下げを繰り返したが、利下げ発表後、一時約1%上昇した。ダウ平均も利下げ発表後は買いが優勢になったが、その後下げに転じた。
FRBは政策金利を0.5%引き下げて4.75─5.0%にすると決めた。パウエル議長は記者会見で「インフレ率が持続的に目標の2%に向かっていく確信が深まった」と述べた。同時に公表した経済見通しは、年内にさらに0.50%ポイントの利下げを予測する内容となった。
先週まで市場は0.25%の利下げを約65%織り込んでいたが、直近では0.5%の利下げを57%織り込んでいた。
アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「50ベーシスポイント(bp)の利下げを行い、年内さらに50bpの利下げを予測するということは強いシグナルだ」とし、「利下げを前倒しすることで失業率を4.4%に抑え、インフレ率を早期に目標まで引き下げることができるとFRBは考えている」と述べた。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策発表を控え、利下げ期待が高まる中で持ち高調整の売り買いが中心となり、3営業日ぶりに反発した。
市場は、FRBがこの日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を引き下げることを織り込み済み。ただ最近のインフレ指標でインフレ圧力の沈静化が示唆されていたことに加え、事前の報道から市場では大幅利下げ決定への期待が高まっていた。今回の利下げの幅に加え、最新の経済・政策金利見通し(ドットプロット)、パウエルFRB議長の記者会見での発言から今後の金融政策運営の方向性を探ろうと様子見気分が強く、積極的な取引は控えられた。
外国為替相場がユーロ高・ドル安地合いで推移する場面もあり、ドル建てで取引される金の割安感につながったことも相場の支援要因。市場関係者らの間では中東情勢の緊迫化懸念が安全資産としての金の需要を後押ししたとの声も聞かれた。
清算値の算出後、FRBは政策金利を0.5%引き下げることを決めた。発表を受けてドルが主要通貨に対して大きく売り込まれ、金相場は時間外取引で一時上げ幅を拡大した。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げを受け、米経済の健全性に対する懸念が一部で広がり、3営業日ぶりに反落した。
朝方の相場は、前日夕発表の米石油協会(API)の週間在庫統計で原油在庫が予想に反する積み増しとなったことを受け需給引き締まり観測が後退し、売りが先行していた。ただ、米エネルギー情報局(EIA)がその後発表した13日までの1週間の米石油在庫統計で、原油在庫は前週比160万バレル減と、市場予想(50万バレル減=ロイター調査)を上回る取り崩しが示されたことを受け、一時買いが優勢になった。
一方、FRBは18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.5%引き下げることを決定した。利下げは2020年3月以来4年半ぶり。年内の残り2会合で、それぞれ0.25%の下げ幅で利下げする想定も示した。会合後、対ユーロでドルが下落。ドル建てで取引される商品の割安感が生じ、下げ幅を縮小する場面があった。ただ市場参加者の間では、大幅利下げはFRB高官らが雇用市場の減速を懸念している証拠だと見る向きもあり、景気見通しへの警戒感から相場はマイナス圏に沈んだ。
ドル/円 NY終値 142.27/142.29
始値 141.60
高値 142.71
安値 140.44
ユーロ/ドル NY終値 1.1118/1.1119
始値 1.1129
高値 1.1189
安値 1.1098
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 103*25.00 4.0311%
前営業日終値 105*05.50 3.9530%
10年債(指標銘柄) 17時05分 101*10.50 3.7132%
前営業日終値 101*29.50 3.6420%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*19.00 3.4929%
前営業日終値 100*27.75 3.4330%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*07.25 3.6276%
前営業日終値 100*09.38 3.5920%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 41503.10 -103.08 -0.25
前営業日終値 41606.18
ナスダック総合 17573.30 -54.76 -0.31
前営業日終値 17628.06
S&P総合500種 5618.26 -16.32 -0.29
前営業日終値 5634.58
COMEX金 12月限 2598.6 +6.2
前営業日終値 2592.4
COMEX銀 12月限 3068.7 ‐29.2
前営業日終値 3097.9
北海ブレント 11月限 73.65 ‐0.05
前営業日終値 73.70
米WTI先物 10月限 70.91 ‐0.28
前営業日終値 71.19
CRB商品指数 279.8190 +1.1576
前営業日終値 278.6614
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