中国人民銀、債券市場の過熱を懸念 リスク管理強化指示

　中国人民銀行（中央銀行）は積極的に債券取引を行っている一部の金融機関に対し、リスクを注意深く管理するよう求めた。中国金融新聞網が１８日伝えた。写真は中国人民銀行。２０１８年９月撮影（２０２４年　ロイター／Jason Lee）

[上海 １８日 ロイター] - 中国人民銀行（中央銀行）は積極的な債券取引を行っている一部の金融機関に対し、リスクを注意深く管理するよう求めた。利回りの急激な低下につながった最近の熱狂的な債券購入に対する当局者の懸念を示した。

人民銀行が発行する金融時報が１８日伝えた。

会合で人民銀行は債券市場の「不正行為」を一切容認しないとも強調した。

中国の銀行間市場規制当局は今月初め、江蘇省の地方銀行４行の債券取引に関する内部管理が不十分で、取引の一部に利益の移転が含まれていたと明らかにした。

報道を受け、１０年物国債と３０年物国債の利回りはともに５ベーシスポイント（ｂｐ）超上昇。債券先物価格は大幅に下落した。

ロイターは先週、人民銀行が一部の銀行の債券投資を調査していると報じている。

中国の債券市場では、２０２５年に向けて景気が急回復する可能性は低いとの見方を背景に、利回りが過去最低水準付近で推移している。

１０年国債の利回りは先週約２０ｂｐ低下し、週ベースでは２０１８年４月以来最大の低下となった。

中国指導部は先週、予想される米国の貿易関税引き上げの影響に対抗するため金利と銀行の準備金比率を引き下げる方針を示し、「適度に緩和的」な金融政策スタンスにシフトすることを明らかにした。

東興証券は、中小銀行や保険会社が引き続き熱心な買い手であることから、中国の債券市場は来年も強気を維持すると予想。ただ、市場のボラティリティーが高まる可能性があると警告している。