イタリア大手銀、コメルツ銀への出資引き上げ ドイツ政府は非難
ロイター / 2024年12月19日 2時53分
[ミラノ/ベルリン 18日 ロイター] - イタリアの大手銀行ウニクレディトは18日、ドイツの同業コメルツ銀行への出資比率を28%に引き上げたと発表した。これに対し、ドイツ政府の報道官は「非友好的なアプローチ」と強く非難した。ウニクレディトのアンドレア・オーセル最高経営責任者(CEO)は、ドイツの買収規定を踏まえ、新政権樹立まで取り組みを待つ意向を示していた。ロイターは10月、来年2月に連邦議会選挙を控えたドイツが買収を阻止しようとしていると報じた。ただ、情報筋はドイツ政府の選択肢は限られているとしている。ウニクレディトは今年9月、ドイツ政府保有分の株式買い取りなどにより、コメルツ銀の最大の民間株主となった。現在、直接保有分として9.5%、デリバティブ(金融派生商品)取引を通じて18.5%を保有。以前には、デリバティブ取引を通じてコメルツ銀の株式保有率を約21%に引き上げていた。最大29.9%まで株式を買い増すため、9月に欧州中央銀行(ECB)の承認を申請。最長90営業日かかる承認プロセスが進行中だとしている。ECBの承認が得られれば、デリバティブの持ち分を株式に転換することが可能になる。ウニクレディトは、コメルツ銀との合併が最善策としながらも、出資者としてコメルツ銀の業績改善を推進することや、保有株の売却により利益を得ることもできると述べている。一方、コメルツ銀の広報担当者は自社事業に引き続き注力すると説明しており、新たな戦略を来年2月13日に発表する予定という。コメルツ銀の株価は一時、2%超上昇した。ウニクレディトは、イタリアの同業バンコBPMへの買収提案も進めており、承認を申請していることを先週、発表した。
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