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アリアンツ、米ファンド巨額損失問題で和解 60億ドル超支払い

ロイター / 2022年5月18日 9時40分

 5月17日、ドイツの保険大手アリアンツは、米資産運用部門アリアンツ・グローバル・インベスターズの「ストラクチャード・アルファ・ファンド」巨額損失問題で、米司法省と証券取引委員会(SEC)に総額60億ドル超を支払うことに同意した。アリアンツ・グローバルは証券詐欺の罪を認めた。2018年5月、仏パリ近郊で撮影(2022年 ロイター/Charles Platiau)

[ニューヨーク/ミュンヘン 17日 ロイター] - ドイツの保険大手アリアンツは、米資産運用部門アリアンツ・グローバル・インベスターズの「ストラクチャード・アルファ・ファンド」巨額損失問題で、米司法省と証券取引委員会(SEC)に総額60億ドル超を支払うことに同意した。アリアンツ・グローバルは証券詐欺の罪を認めた。

企業の制裁金としては過去最大級。司法省が昨年、企業から徴収した全制裁金総額33億ドルの2倍近い。

既に破綻したストラクチャード・アルファ・ファンドを立ち上げ、運用・監督を担当していたグレゴワール・トゥールナン元最高投資責任者は詐欺、共謀、捜査妨害の罪で訴追された。他の2人のポートフォリオ マネジャーも関連の罪を認めている。

一時は運用資産規模が110億ドル超だった同ファンドは、新型コロナウイルスのパンデミック発生で市場が大混乱した2020年2月と3月に70億ドル余りの損失を出した。アリアンツ・グローバルは同ファンドが抱えるリスクや監督態勢の「著しい」不備を知りながら、投資家であるさまざまな年金基金に適切な説明をしなかったと非難されている。

投資家側は、同ファンドには市場の相場暴落から身を守るためのヘッジ商品などを備えていると聞かされていた。しかし検察当局は、アリアンツ・グローバルの運用担当者がヘッジ商品購入を何度も怠ったと主張した。

また検察の申し立てによると、運用担当者は成功手数料を通じて自分たちの報酬を大きく引き上げるため、同ファンドの成績を水増しした。一連の不適切な説明は14年から始まっていたとした。

ニューヨーク州南部地区のダミアン・ウィリアムズ連邦検事は会見で、被害が及んだ投資家は10万以上に達しているとし、米国の検察が企業を刑事訴追するのは異例だが、今回は適切だったと述べた。

ウィリアムズ氏は、投資家は同ファンドが「比較的安全でリスク管理は厳しく、株価暴落などの市場における突発事態をうまく乗り切れる設計になっている投資先と約束されていた」が、それらの約束は全部うそであり、責任を取る日がやってきたと強調した。

アリアンツが受け入れた和解条項によると、刑事上の制裁金は23億3000万ドル、賠償金は32億4000万ドル、不当利益没収金が4億6300万ドル。ウィリアムズ氏によると、アリアンツ側が別途、投資家に弁償しているため制裁金額は大きく減額されたという。これと別にSECに対して6億7500万ドルの民事制裁金も支払う。

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