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ECB、7500億ユーロの緊急債券買い入れ決定 量的緩和年間1兆ユーロ強に

ロイター / 2020年3月19日 11時35分

 3月18日、欧州中央銀行(ECB)は、新型コロナウイルスの流行で経済への影響が広がる中、域内の借り入れコスト押し下げに向け、7500億ユーロ(8180億ドル)の緊急債券買い入れプログラムを開始すると発表した。写真は独フランクフルトのECB本店。1月23日撮影(2020年 ロイター/Ralph Orlowski)

[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は18日、新型コロナウイルスの流行で経済への影響が広がる中、域内の借り入れコスト押し下げに向け、7500億ユーロ(8200億ドル)の緊急債券買い入れプログラムを開始すると発表した。18日夜に開いた緊急会合で決定した。

新型コロナの拡大防止のため、欧州の多くは域外からの入国や人の移動を厳しく制限、経済活動が停滞し、金融市場は動揺している。2008年の金融危機時のようなリセッションに突入する可能性が出ている。

感染者が急増しているイタリアなど高債務国の国債利回りがこのところ急騰していたことも追加措置の必要性を高めていた。

新たな債券買い入れ枠はユーロ圏域内総生産(GDP)の6%に相当。これを含めると、ECBの量的緩和策(QE)による今年の資産購入額は1兆1000億ユーロに上る見通し。

ラガルド総裁は「異例の時には異例の行動が必要。我々のユーロへのコミットメントに制限はない。あらゆる手段を活用する」と語った。

ECBによると、債券買い入れは新型コロナ流行の「危機的段階」が終わるまで継続。非金融業発行体によるコマーシャル・ペーパー(CP)も、初めて買い入れ対象に含めるという。

ECBの発表を受けてユーロは対ドルで 反発し、直近のレートは0.16%高の1ユーロ=1.0929ドルとなった。

買い入れは加盟国のECBへの出資割合(キャピタルキー)に応じて行うが、柔軟に運用するとし、ルールからの逸脱もあり得ると表明。加盟国間の利回りスプレッドの急拡大を容認しない姿勢を示唆した。

これまで信用格付けの低さから、ECBの債券買い入れの対象となっていなかったギリシャの債券も対象にする。

ECBはまた、必要となれば買い入れの規模を拡大し、年限を延ばす用意があると表明。また、買い入れへのいかなる制約も見直しの対象にするとした。ECBの国債保有について発行体当たりの上限を発行額の3分の1とする規定が念頭にあるとみられる。

ピクテ・ウエルスマネジメントのストラテジスト、フレデリック・ダクロゼット氏は、「財政面で今後も追加の対応が打ち出されると前提すれば、今回の措置はユーロ圏経済と市場の状況を一変させるものだ」と分析した。

一方でECBは、12日の定例理事会と同様に今回の会合でも、マイナス0.5%の預金金利は据え置いた。政策当局者が、これ以上の引き下げは弊害のほうが大きいと認識していることが改めて鮮明になった。

12日の理事会でECBは量的緩和策の拡大を決めたが、市場の失望を呼んでいた。ここ数日にユーロ圏周縁国の国債利回りが急騰し、独伊10年債利回り格差が2倍に広がったため、ECBによる追加緩和への圧力が強まっていた。

*内容を追加します。

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