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新型肺炎の経済影響「想定より深刻」、原油安で与信増も=全銀協会長

ロイター / 2020年3月19日 17時54分

 3月19日、全国銀行協会の高島誠会長は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う内外経済への影響について「従前の想定以上に深刻」との認識を示した。写真は都内で2019年10月撮影(2020年 ロイター/Peter Cziborra)

[東京 19日 ロイター] - 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は19日の定例会見で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う内外経済への影響について「従前の想定以上に深刻」との認識を示した。約17年ぶりの原油安の長期化で与信関連費用が生じる可能性にも言及した。

世界的な感染拡大による影響に関しては、製造業のグローバルサプライチェーンへの影響や人の往来が事実上凍結されることによるインバウンドの落ち込み、外出やイベント自粛に伴う国内需要の減少を挙げた。インバウンドや国内需要の落ち込みが長期化し、雇用に波及する状況になれば「(日本経済の)底が抜けるような事態にもなりかねない」との懸念も示した。

銀行業績に与える影響を巡っては、株安による直接的影響に加え、原油などコモディティ価格の変動に伴う企業業績悪化の間接的影響が考えられると指摘した。2020年3月期決算を控える中での株安の影響は「各行の運用方針やポジションによって一概に言えない。円高や株価下落の悪影響と、金利低下による保有債券価格の上昇の双方が想定される」と述べた。

原油安を巡って「長い目でみれば、安値水準が続いた際に、一定規模の与信関連費用が発生することも想定しておく必要がある」との考えも述べた。

一方、リーマン危機後の規制改革などで資本、流動性の両面で相応の耐性を備えているとの認識も併せて示し、「直ちに金融システムが損なわれる状況にない」と語った。地域金融機関の不良債権比率も低位で推移する現状に「自己資本に備えもある。かりに不良債権が増えても金融仲介機能が阻害されることはない」とした。

企業の資金繰り支援については「政府要請にかかわらず金融仲介機能を果たすことは社会的使命」と述べ、新規借り入れや既存借り入れの条件変更に迅速かつ柔軟に対応するよう、12日付で会員行に申し合わせを行ったことを明らかにした。

日銀の企業金融支援特別オペや6カ国中銀のドル資金供給の拡充などの枠組みも活用し、「銀行界としても資金繰り支援を含め、十分な資金供給に努める」と強調した。ドル供給期間が3カ月間に延長されたことは銀行のドル調達の観点からも効果があるとし、これらを「顧客に還元していくことが重要」と訴えた。

日銀が決定会合を前倒しして追加緩和を決定したことに関しては「率直に歓迎したい」と語った。

(山口貴也)

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