南ア中銀、政策金利を1.0%ポイント下げ 新型コロナに対抗
ロイター / 2020年3月20日 2時53分
[プレトリア 19日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(中央銀行)は19日、主要政策金利であるレポレートを1.0%ポイント引き下げ、5.25%にすることを全会一致で決定した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による影響が深刻化しており、国内外の経済見通しが悲惨な状態にあるとの見方を示した。
先週のロイター調査では0.5%ポイントの利下げが見込まれていた。アナリスト22人中、1.0%ポイントの利下げを予想していたのは1人だった。
南ア中銀が0.25%ポイントを超える利下げを実施したのは2012年以降で初めて。
ハニャホ中銀総裁は会見で「19年下半期のテクニカルリセッションが経済成長見通し引き下げの一因となっている」と指摘。「加えて、COVID-19(新型コロナウイルス)および(国営電力会社エスコムによる)電力負荷制限などの既存の制約が成長見通しに対する重大な下振れリスクを示唆している」と指摘。「金融政策で金融情勢の逼迫を和らげられるほか、新型ウイルスの感染拡大による経済への短期的な影響に対する家計と企業の耐性を高めることができる」と述べた。
中銀はこの日の会合で、20年の国内総生産(GDP)成長率見通しを1月時の1.2%からマイナス0.2%に引き下げた。公的機関としては初の年間マイナス成長予想となった。
BNPパリバのシニアエコノミスト、ジェフリー・シュルツ氏は「現在の世界情勢を踏まえると、成長率がプラス1.2%となるとの予測は荒唐無稽だった」とし、 新たな見通しは「より現実的になった」と指摘。ただ「マイナス0.2%の予想にも下方リスクが存在している」とし、「中銀がさらに見通しを下方修正したとしても驚くべきことではない」と述べた。
今回の利下げを受け、過去最安値近辺まで売られていた南アの通貨ランド
*内容を追加しました。
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