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米経常赤字、第1四半期0.1%減 コロナでモノとサービスの流れ停滞

ロイター / 2020年6月20日 4時25分

6月19日、米商務省が発表した第1・四半期の経常収支は、赤字額が前期比0.1%減の1042億400万ドルと、2018年第2・四半期以来、2年弱ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響でモノとサービスの流れが滞った。市場予想は1030億ドルの赤字だった。写真は2015年5月、ワシントンで(2020年 ロイター/Yuri Grip)

[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した第1・四半期の経常収支は、赤字額が前期比0.1%減の1042億400万ドルと、2018年第2・四半期以来、2年弱ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響でモノとサービスの流れが滞った。市場予想は1030億ドルの赤字だった。

経常収支は、海外とのモノやサービス、投資の流れを表す。

昨年第4・四半期の赤字額は当初発表の1098億2200万ドルから1043億2400万ドルへ改定された。

赤字が縮小した要因として、商務省は「新型コロナの影響が一因で、多くの事業がフル稼働しなかったか、完全に営業を停止したほか、国境を越える移動も制限された」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナの危機の早い段階で、世界的なドル不足を緩和するために12以上の国の中央銀行と通貨スワップ協定を結んだこともあり、米国の資産と負債は過去最大の伸びを記録した。

経常収支の赤字額は国内総生産(GDP)の1.9%を占め、17年第3・四半期以来の低水準だった。

モノとサービスの輸出のほか、海外就業者の所得などの海外からの収入は475億4500万ドル減の9023億300万ドルと、17年第3・四半期以来の低水準となった。11年ぶりの大幅な減少だった。

モノとサービスの輸入のほか、海外就業者への支払いなどの海外への支出は476億6500万ドル減の1兆0065億万ドルと、17年第3・四半期以来の低水準だった。09年第1・四半期以来の大幅な減少だった。

資本の経常収支は赤字額が9億4300万ドル増の29億6200万ドルと、15年第1・四半期以来の高水準を付けた。

新型コロナの危機で事業に混乱が生じる中でも海外の米企業が本国に還流した利益は1242億1800万ドルと、前期の836億4300万ドルから増え、1年超ぶりの高水準となった。法人税を35%から21%へ引き下げた税制改革によって米企業が本国還流した海外利益への課税が総じてなくなった。

輸入は、米中貿易摩擦の影響で新型コロナのパンデミック前から減っていた。同時に米国が原油の純輸出国となり、外国産原油への依存を大幅に減らした。

新型コロナの影響で企業利益が減る中、投資からの所得が落ち込んだ。

配当や従業員報酬などを示す第1次所得の黒字幅は524億8800万ドルと、16年第3・四半期以来の低水準だった。前期は619億5800万ドルだった。第1次所得は278億400万ドル減の2551億3900万ドルだった。

政府補助金や年金、罰金・違約金、海外就業者の送金を示す第2次所得収支の赤字額は11億1300万ドル増の376億3700万ドルと過去最高水準となった。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、ジェームズ・ワトソン氏は第1・四半期の経常収支について、「貿易に関する悲惨な見通しを補強しており、輸出入量は今年、記録的な落ち込みになるだろう」と指摘。「国内需要よりも海外需要の方が一段と低迷しており、第2・四半期の経常赤字は大幅に拡大するだろう」と述べた。

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