NY市場サマリー(19日)S&Pとダウ下落、ドル上昇
ロイター / 2020年6月20日 6時31分
[19日 ロイター] - <為替> ドルが上昇。新型コロナウイルスの感染第2波を巡る懸念から、安全資産とされるドル需要が高まり、週間の上昇率は約1カ月ぶりの高さとなった。
終盤の取引でドル指数<=USD>は0.18%高の97.61と、2日以来の高水準に迫った。週間では0.54%上昇と、5月中旬以来の伸びを記録した。
テンパスのシニア為替トレーダー、フアン・ペレス氏は、米国の経済回復は堅調になるとの見方があるものの、州ごとに大きな格差が見受けられるため、投資家は消極的になっていると指摘。しかし、他国に比べ、新型コロナ流行によって米経済に甚大な影響が及んでいることはいずれドルへの圧迫材料になるとの見通しを示した。
ユーロ/ドル
ドイツ銀のアナリストはノートで「復興基金の膠着打開への期待はこのところ後退し、まだ日程が決定していない7月の首脳会議前までに合意に至らない兆候がある」と指摘した。
<債券> 国債利回りが序盤の上昇を吐き出し、ほぼ変わらずとなった。米国の一部の州で新型コロナウイルス感染が拡大していることを受け、経済回復を巡る懸念が高まった。
米アップル
また前日には少なくとも6州で新型コロナの1日当たりの新規感染者が過去最多を更新し、カリフォルニア、ノースカロライナ両州や複数の都市ではマスク着用の義務化されたり、義務化への動きが強まるなどした。[nL4N2DW0VV]
指標10年債利回り
中国が第1段階の米中通商合意順守に向け米農産物の購入を加速すると、ブルームバーグが報じたことを受け、リスク選好度が高まり、米債利回りは序盤に上昇した。[nT9N28D01S]
ただ、10年債利回りは米雇用統計の予想外の改善を材料に5日に付けた11週ぶりの高水準である0.959%までは達しなかった。
マニュライフ・アセットマネジメント(ボストン)のシニア債券トレーダー、マイケル・ロリジオ氏は「パンデミック(世界的大流行)の前でさえ、成長率とインフレ率が過度に上昇するリスクがない状態だった。そのため世界で最も流動性のある米債を求める動きが今後も続くことは理にかなう」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は19日、米経済が新型コロナ感染拡大の影響から回復するには困難な道が待ち受けているとの考えを示した。[nL4N2DW3BF]
<株式> 不安定な取引の中、S&P総合500種とダウ工業株30種が下落して終了した。市場では新型コロナウイルスの新規感染件数の増加への懸念と景気回復への期待がせめぎ合っている。
キーター・グループのマネジングパートナー、マシュー・キーター氏は「一方には連邦準備理事会(FRB)による刺激策と消費支出の増加への期待、もう一方には世界的な新型ウイルス感染再拡大への懸念があり、市場では相反する力学が働いている」と述べた。
アップル
パウエルFRB議長はこの日、オハイオ州の地元関係者が主催した雇用に関するビデオ会議で「米経済は立ち直るが、時間と努力が必要になる。この先は困難な道が待ち受けている」と述べている。[nL4N2DW3BF]
S&P500の11部門のうち、上昇したのはヘルスケア部門<.SPXHC>のみ。航空株が大きく売られ、S&P1500航空株指数<.SPCOMAIR>は4.2%安となった。
映画館チェーン大手AMCエンターテインメント・ホールディングス
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.66対1の比率で上回った。ナスダックでは1.15対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は158億4000万株。直近20営業日の平均は131億7000万株。夏の間は金曜日は商いが薄くなることが多いが、この日はオプションや先物の決済日が重なるクアドルプル・ウィッチングにあたった。
<金先物> 新型コロナウイルスの感染「第2波」への警戒感を背景に、3日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比21.90ドル(1.27%)高の1オンス=1753.00ドル。週間ベースでは0.90%高となった。
ニューヨーク市のデブラシオ市長は18日の記者会見で、新型コロナの感染拡大で規制中の経済活動について、週明け22日から第2段階に入る見通しだと確認。ただ、米国内では南部や西部を中心に新規感染者が増加しており、19日にはアップルがアリゾナ州やフロリダ州などの一部店舗を再び閉鎖すると報じられた。
また、中国・北京市の食品卸売市場では新型コロナの集団感染が発生し、新規感染者の確認が続いている。当局は「既に制御されている」とみているが、移動規制が強化されている。
こうした動きを受け、景気回復に遅れが出るのではとの懸念が台頭し、投資家のリスク選好意欲は後退。安全資産とされる金の需要が高まり、この日の金相場は上値を追う展開となった。
<米原油先物> 主要産油国が減産継続の徹底を図ったことを好感し、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前日比0.91ドル(2.34%)高の1バレル=39.75ドルとなった。一時40ドル台を回復したが、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が広がり、上げ幅を削った。
8月物は0.78ドル高の39.83ドルだった。
サウジアラビアやロシアなど主要産油国による石油輸出国機構(OPEC)プラスが前日に合同閣僚監視委員会を開催。ロイターによると、イラクやカザフスタンが、5月の減産未達成分を今後相殺すると約束した。
19日の原油先物相場は、原油需給の引き締まりが意識され、上昇して取引を開始。一時40.49ドルまで値を上げた。
ただ、米ボストン連邦準備銀行のローゼングレン総裁が講演で、新型コロナの感染「第2波」への懸念を表明。米景気の先行きに弱気な見方を示した。
また、一部の州で感染者が増えていることを受け、米アップルは一部店舗を再閉鎖すると発表した。米景気回復の遅れに対する懸念が台頭し、上値を抑えた。
ドル/円 NY終値 106.87/106.90
始値 106.91
高値 107.03
安値 106.78
ユーロ/ドル NY終値 1.1175/1.1179
始値 1.1203
高値 1.1254
安値 1.1169
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*28.00 1.4622%
前営業日終値 94*29.00 1.4610%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*11.00 0.6937%
前営業日終値 99*11.00 0.6940%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.25 0.3250%
前営業日終値 99*20.00 0.3260%
2年債(指標銘柄) 17時04分 99*28.00 0.1896%
前営業日終値 99*27.63 0.1950%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 25871.46 -208.64 -0.80 <.DJI>
前営業日終値 26080.10
ナスダック総合 9946.12 +3.07 +0.03 <.IXIC>
前営業日終値 9943.05
S&P総合500種 3097.74 -17.60 -0.56 <.SPX>
前営業日終値 3115.34
COMEX金 8月限 1753.0 +21.9
前営業日終値 1731.1
COMEX銀 7月限 1784.7 +33.9
前営業日終値 1750.8
北海ブレント 8月限 42.19 +0.68
前営業日終値 41.51
米WTI先物 7月限 39.75 +0.91
前営業日終値 38.84
CRB商品指数 137.9738 +0.9179 <.TRCCRB>
前営業日終値 137.0559
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