アングル:「ビデオ会議」は既に日常、最大限に活用する方法は
ロイター / 2020年10月19日 10時11分
助成金申請代行の仕事に携わるダイアン・レオナードさんは先日、ある会議に出席した。いつもの流れだ。基調講演を聞き、他の出席者たちと交流し、友人に出くわす。写真はスペイン・バルセロナ北部で、オンライン会議ツールを使う学生。4月2日撮影(2020年 ロイター/Albert Gea)
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 助成金申請代行の仕事に携わるダイアン・レオナードさんは先日、ある会議に出席した。いつもの流れだ。基調講演を聞き、他の出席者たちと交流し、友人に出くわす。
だが、これまでの会議と大きく違う点が1つある。自分は米ニューヨーク州クレイトンの自宅にいて、お気に入りのコーヒーを飲み、足元にランニング・ウオーキングマシンが付いた「机」に向かい、傍らには愛犬オリーがいる。
レオナードさんが出席したのは、クラウドコンピューティング会社が主催したIT関連の会議。今年開かれている多くの会議と同様、完全なビデオ会議だ。
「ここ半年で、この種の会議への出席は40回を超えたと思う。もうすっかり日常の一部だ」とレオナードさんは言う。
「ミィーティング・プロフェッショナルズ・インターナショナル」が夏に実施した調査では、回答者の86%が今後1年間で現実空間イベントへの出席は減ると予想した半面、87%はバーチャルイベントへの出席が増えるとの見通しを示した。
バーチャルイベントをプロデュースするディジメンターズ社の共同創業者、スリー・スリーニバサン氏は「この半年間、バーチャルイベントを運営してきて気付いたのは、現実空間で開く会議との違いが20%ほどあるということだ。だが、その20%が決定的だ」と語る。
「新しい日常」になじむのは大変だが、ある意味では簡便さが増したとも言える。人との接し方、有意義なコンテンツへのアクセス、参加することで得られる「収穫」の最大化などの面で、まったく新しい戦略が必要になる。
「バーチャルイベントでは、出席者による準備と行動が、より多く求められる」と語るのは、投資調査会社・モーニングスターの幹部、レスリー・マーシャル氏。9月に米国で約3000人を対象にオンライン会議を主催したばかりで、今後は世界規模のバーチャルイベントを計画中だ。
しばらくの間、バーチャルイベントが常態化するのは間違いないだろう。教育コンサルタント会社・タゴラスによると、ビデオ会議を開催した人の92%は、今後も開催する計画を立てている。
というわけで、会議出席者がバーチャル空間で処していく上でのヒントをいくつか紹介しよう。
<ツールを味方につける>
ビデオ会議の運営者は、ネットワーキングや双方向性を確保するために大変苦労して最新のツールを生み出しているので、これらを活用しない手はない。
基調講演の間は、チャットボックスを使えば他の参加者と感想を共有したり、質疑応答時間向けの質問を投稿したりすることができる。「ブレークアウト(グループ分け)」機能を使えば、特定の関心事項についてのチャットルームを開設したり、1対1の対話を行うことも可能だ。
モーニングスターは、仮想現実(VR)の採用まで試みている。9月の会議では参加者数十人にOculusのゲーム用VRヘッドセットと3Dゴーグルを手配し、実際に現場にいるような気分を味わってもらった。
<前もって準備を>
実際に人と会う会議の方が、ビデオ会議よりずっと「ゆるい」ものだ。知り合いに出くわし、ホテルのバーで一杯やり、会場で別れ際に夕食の約束を取り付けられる。しかし、オンラインで会いたい人と会うためには、ずっと入念かつ戦略的な準備が必要になる。
参加者リストを点検し、接触すべき展示者あるいはスポンサーを調べ、講演者やプレゼンターとつながる。
会議の後、ツイッターやリンクトインなどのソーシャルメディアに感想やまとめを投稿すれば、今後も長続きする関係を築くための土台となる。
<邪魔は最小限に>
快適な自宅のキッチンから会議に参加することには、多くの利点がある。出向かなくて済むし、感染リスクもなく、経費は抑えられる。
モーニングスターのマーシャル氏は「現実空間の対面型の会議では、その間に他の一切から離れ、会議だけに集中することができる」と認める。
「自宅では、気が散るものをすべて遠ざけるのが難しい。だから時には携帯電話をオフにすること。そして常にマルチタスクをしようとするのは、やめた方がいい」
愛犬や子供たち、仕事上の電子メールなどの邪魔や中断はつきものだが、オンライン会議なら後からまた戻って、コンテンツにアクセスすることが可能だ。
<長所に目を向ける>
コストの低さもビデオ会議のメリットだ。タゴラスによると、ビデオ会議の約70%は従来の会議よりもコストが低く、しかも「大幅に」低いことが多い。
スリーニバサン氏は「以前ならできなかった事が、できるチャンスと考えよう。こうしたイベントは以前、密室で行われ、チケット代は高く、場所は遠かった」と話す。
「今では毎日、世界中の魅力的な人々と重要な問題について話す機会がある。世界中を回って1日中、興味深い人々の話に耳を傾けられる」
(Chris Taylor記者)
この記事に関連するニュース
-
宇宙が舞台のソニーPCL短編「リテイク」ティザー公開、バーチャルプロダクション活用
マイナビニュース / 2024年8月1日 21時5分
-
史上最大のバーチャル文化祭 「メタメタ大作戦」絶賛開催中!!イベント内「メタバース無料生配信番組」出演者第2弾7組を発表~関智一、森久保祥太郎、HKT48、STU48、EXILE 世界など
PR TIMES / 2024年8月1日 13時30分
-
被爆者・森重昭さん「本気で平和を」 NPT再検討会議準備委に寄せたメッセージ
広島テレビ ニュース / 2024年7月25日 19時26分
-
ムハンマド・ビン・ラシッド図書館、2024年11月15日から17日まで開催される第1回ドバイ国際図書館会議2024への参加をすべての図書館専門家に呼びかけ
共同通信PRワイヤー / 2024年7月22日 10時9分
-
個人VTuberの強い味方!株式会社シーク・アミューズメントが『バーチャルマーケット2024 Summer』ならびに『VketReal2024summer』へのダブル出展!
PR TIMES / 2024年7月17日 13時45分
ランキング
-
1焦点:ハリス氏支える側近集団、政治経験豊富なベテランぞろい
ロイター / 2024年8月5日 15時57分
-
2ハリス氏、トランプ氏を猛追 米世論調査
AFPBB News / 2024年8月5日 12時37分
-
3最強武装組織ヒズボラ vs. イスラエル...戦争になればイランや中東以外からも戦闘員が参戦する
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月5日 17時0分
-
4「日本人男性に復讐したかった」73人の日本人から計1億円超を詐取か タイ人の容疑者を逮捕
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月5日 17時17分
-
5バングラデシュで首相辞任求めるデモ再燃…学生や警察官93人死亡、全土に外出禁止令
読売新聞 / 2024年8月5日 12時57分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください