ロシアのワクチン、11月公表の暫定治験データは5000─1万人対象
ロイター / 2020年10月20日 8時55分
10月19日、ロシアの国立ガマレヤ研究所は、ロシアで4万人超を対象に進めている新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の第3相臨床試験(治験)について、暫定結果として示すことができるのは5000─1万人程度に限られる可能性があると明らかにした。写真はロシアのワクチン。露トベリで12月撮影(2020年 ロイター/Tatyana Makeyeva)
[モスクワ 19日 ロイター] - ロシアの国立ガマレヤ研究所は19日、ロシアで4万人超を対象に進めている新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の第3相臨床試験(治験)について、暫定結果として示すことができるのは5000─1万人程度に限られる可能性があると明らかにした。
スプートニクVは同研究所が開発したロシア初の新型コロナワクチン。スプートニクVの治験は9月初めからモスクワで行われており、政府は早ければ11月の暫定結果公表を目指している。
同研究所の研究者らは先月、ロイターに対し、暫定結果はワクチン接種後42日間の被験者データに基づくものになると説明していた。
ワクチンは2回制で、これまでに1回目の接種を受けた被験者はわずか1万6000人程度。2回目の接種には21日間空ける必要がある。このため、11月に暫定結果を公表する場合のデータ対象は5000─1万人に限られるという。
治験の暫定結果の公表時期を先に設定するのは異例。欧米のワクチン開発者の多くは、通常の治験ではコロナに感染した被験者の数に基づき、プラセボ対照試験を行うため、事前に暫定結果の公表時期を設定することはできないと指摘する。
ロシアは8月、第3相臨床試験の前にスプートニクVを承認し、海外にも売り込んでいる。暫定結果が公表されれば、同ワクチンの調達や国内治験を検討する外国当局は判断しやすくなる可能性がある。
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