サウジ政府系ファンド、イスラム債起債 ガザ危機でも需要旺盛
ロイター / 2023年10月19日 13時39分
サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」は18日、初のイスラム債(スクーク)を起債した。写真はリヤドで20年3月撮影。(2023年 ロイター/Ahmed Yosri/File Photo)
Hadeel Al Sayegh Yousef Saba Mohd Edrees
[ドバイ 18日 ロイター] - サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」は18日、初のイスラム債(スクーク)を起債した。
イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突以降、中東市場で初の大型起債となったが、旺盛な需要があり、35億ドルを調達する見通しだ。
PIFは5年物と10年物のイスラム債を起債。発行額はそれぞれ22億5000万ドル、12億5000万ドル、発行条件は米国債利回り+120ベーシスポイント(bp)、+140bp。
5年物には140億ドル以上、10年物には100億ドル以上の応募があった。
当初のガイダンスはそれぞれ米国債利回り+150bp、+170bpだった。
ある債券アナリストは、PIFは地政学的な事情から利回りを高めに設定しており「投資家の観点からはかなり魅力的に見える」と指摘。
「サウジ政府の5年物スクークは5.56%前後で取引されており、PIFの5年物スクークは国債より50bpも高い。歴史的に見てスクークは利回りが相対的に低いが、今回はPIFの従来型債券と同水準だ」と述べた。
今回の起債は、イスラエルとハマスの軍事衝突に市場がどのような反応を示すかを見極める上で注目されていた。
サウジのソブリン債の対米国債利回りスプレッドは今月に入り、約15bp拡大している。
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