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中国、「一帯一路」で人民元国際化を強化

ロイター / 2023年10月19日 16時33分

10月19日、中国政府は、広域経済圏構想「一帯一路」の下で合意した融資契約を通じて人民元の国際化を進めている。写真は人民元紙幣と中国旗のイメージ。2017年5月撮影(2023年 ロイター/Thomas White)

[上海/シンガポール 19日 ロイター] - 中国政府は、広域経済圏構想「一帯一路」の下で合意した融資契約を通じて人民元の国際化を進めている。

北京で18日終了した「一帯一路フォーラム」では中国の政策銀行が複数の海外金融機関と人民元建て融資契約に調印した。

同フォーラムに参加した130カ国の多くはグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国。ロシアのプーチン大統領もフォーラムに出席した。大半の西側諸国は距離を置いている。

ナティクシスのアジア太平洋チーフエコノミスト、Alicia Garcia Herrero氏は「貿易決済で基本的に人民元を利用している国は、大半が北京を訪れたか、中国と戦略的な協定を結んでいる」と指摘。

一部の国では、戦略地政学的な緊張や米国の高金利が人民元の受け入れを促す要因となっている。

18日公表のSWIFT(国際銀行間通信協会)のデータによると、9月の世界の決済額に占める人民元の割合は3.71%と過去最高を記録。1月の1.91%からほぼ倍増した。ただ、人民元のシェアはドルの46.6%には遠く及ばない。

<真の国際通貨になれるか>

一帯一路プロジェクトへの資金提供も、一時停滞していた人民元国際化の再活性化に寄与している。

中国国際金融(CICC)は「世界的に通貨のボラティリティーが高まる中、一帯一路は人民元の国際的影響力を高める好機となる」と指摘した。

中国の政策銀行である国家開発銀行は、一帯一路のプロジェクトを支援するため、マレーシアのメイバンク、エジプトの中央銀行、BBVAペルーと人民元建て融資契約を締結。

中国輸出入銀行もサウジ・ナショナル銀行と人民元建て融資契約を締結したほか、中国銀行はエジプトによるアフリカ初のパンダ債(人民元建て債券)発行を支援した。

中国政府は一帯一路プロジェクトを推進する「シルクロード基金」にも800億元(109億4000万ドル)を追加拠出している。

ナティクシスのエコノミスト、Haoxin Mu氏は「ドルの借入コストが一段と上昇しており、多くの借り手が資金調達や借り換えのために人民元を利用するようになった」と指摘。ウクライナ戦争後の「ドルの武器化」も人民元の利用を増やす一因になったとの見方を示した。

ただ、ナティクシスのGarcia Herrero氏は、圧倒的なシェアを持つドルに人民元が挑戦にするには長い時間がかかると指摘。石油取引でのシェアが小さいほか、外国人が中国株・債券の保有を減らしていると指摘した。

同氏はブロック化した経済で利用されている通貨が準備通貨となる可能性は低いと指摘。一帯一路に参加する国と協定を結んでも、人民元が真の国際通貨となることはないだろうとの見方を示した。

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