長期金利が大きく上昇すれば、経済活動に下押し圧力も=全銀協会長
ロイター / 2023年10月19日 18時29分
10月19日、全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は会見で、じりじりと上昇している長期金利について「日本経済への影響は大きくない」と述べた。写真は円紙幣。2020年8月撮影(2023年 ロイター/Yuriko Nakao)
Ritsuko Shimizu
[東京 19日 ロイター] - 全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は19日の会見で、じりじりと上昇している長期金利について「日本経済への影響は大きくない」と述べた。ただ、仮に、これ以上大きく上昇した場合、「借り入れの利払い費の増加、円高に伴う輸出採算悪化を通じて、経済活動に下押し圧力が生じる可能性がある」と懸念を示した。
また、1ドル=150円をうかがう円安水準にある為替相場については、プラス面とマイナス面の両面があると指摘。プラス面としては輸出企業の採算面の改善、インバウンド需要の増加がある一方で、マイナス面は家計負担増があるとした。特に、家計負担増により節約志向が高まり個人消費が下押しされる可能性には「十分注意が必要」と述べた。
銀行間の送金網「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」で発生した障害について、加藤会長は「痛恨の思い。銀行界を代表して深くお詫び申し上げる」と陳謝した。
全銀システムは10日午前に障害を起こし、約48時間後の12日午前8時半に復旧した。加藤会長は、システムベンダーから一部のプログラムに不具合があったとの速報を受けているとしたものの「拙速に結論を出すことなく、深遠なる検証を徹底的に行うべき」と述べ、銀行界も全面的に検証に参加するとした。原因究明とともに、全銀ネットのガバナンスが機能していたか、BCP(事業継続計画)や各種訓練が形がい化していなかったかなどの点も確認することが必要だと指摘した。
加藤会長は、今回のシステム障害を受けて、次期全銀システムへの移行計画書の理事会への付議を見送ったことを明らかにした。
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