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アングル:時価総額世界一になったエヌビディア、AIへの期待の大きさ反映

ロイター / 2024年6月19日 17時12分

5月18日、米半導体大手エヌビディアの時価総額が世界最大となった。写真は米カリフォルニア州サンタクララの同本社で2015年2月撮影(2024年 ロイター/Robert Galbraith)

Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアの時価総額が18日、世界最大となった。これは今後の世界経済において人工知能(AI)の果たす役割に対する投資家の期待の大きさを浮き彫りにしている。

18日の米株式市場でエヌビディアの株価は3.5%上昇し、時価総額は約3兆3400億ドルに膨らんで、マイクロソフトやアップルを抜き去った。

こうした時価総額の増加は、AIの分野で圧倒的な標準製品となったエヌビディアの半導体に対する需要にけん引されてきた。同社の株価は今年になって170%余り、2022年10月に記録した直近安値からはおよそ1100%も跳ね上がっている。  

莫大な利益と、AIを巡る幅広い投資家の熱気がエヌビディアの株価高騰を演出。時価総額が2兆ドルから3兆ドルに増えるまでに要したのはわずか96営業日だった。

ビスポーク・インベストメント・グループによると、2兆ドルから3兆ドルまでの期間はマイクロソフトが945営業日、アップルは1044営業日だ。  

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニア指数アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏の分析に基づくと、1925年以降に終値ベースで時価総額世界一の座についた米企業は11社しかない。

これらの「タイトルホルダー」のその後の命運はさまざま。マイクロソフトの場合は1990年代終盤に時価総額世界一となった後、ドット・コム・バブルを経て2000年代前半は苦難に見舞われ、過去5年で復活を遂げている。

石油大手エクソンモービルは2000年代に時価総額世界一の地位を得たが、原油価格の低落に伴って株価も下げ歩調をたどった。

ドット・コム・バブル最盛期の2000年3月に株価が最高値をつけたシスコは、投資家がしばしばインターネット関連企業に目がくらむような高い評価を与える局面だったという意味で注目される。

ビスポークのアナリストチームは最近、いずれの製品もインターネットのインフラを支える上で不可欠という点で、エヌビディアとシスコの軌跡を対比させた。「エヌビディアの値動きは信じられないほどだが、株式が素晴らしいリターンを継続的にもたらし続けるには、ここから成長を維持し、競争を乗り切っていくことが求められる」とノートに記している。

もっとも今のところ、エヌビディアの業績は株価を支えている。2─4月売上高は3倍余り増加して260億ドル、純利益は7倍増の149億ドルに達した。

LSEGのデータを踏まえると、今年度通期売上高はほぼ2倍の1200億ドル、2026年度はさらに33%増の1600億ドルになる見通しだ。

こうした業績と業績見通しのおかげで、株価高騰にもかかわらずバリュエーションはむしろ落ち着いてきている。LSEGデータストリームによると、例えば予想利益に基づくエヌビディアの株価収益率(PER)は43倍で、年初時点の25倍より高いが、昨年のほとんどの期間を下回っている。

もちろんAIブームで収益を稼げるとの期待を集めるのはエヌビディアだけではない。サーバーのスーパー・マイクロ・コンピューターや半導体設計のアーム・ホールディングスなどの株価も今年になって急伸している。

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