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全国コアCPI、6月は+2.6% コアコアは11カ月ぶりに伸び拡大

ロイター / 2024年7月19日 10時34分

総務省が19日に発表した6月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.8で、前年同月比2.6%上昇した。写真は千葉のスーパーマーケットで2020年5月撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Takahiko Wada

[東京 19日 ロイター] - 総務省が19日に発表した6月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.8で、前年同月比2.6%上昇した。政府の電気・ガス価格激変緩和対策の補助金が半減してエネルギー価格の上昇幅が拡大し、コアCPIの伸び率を押し上げた。

より基調的な動きを示す生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は2.2%上昇となり、昨年7月以来11カ月ぶりに前月の伸び率を上回った。ただ、エコノミストからは、日銀が目指す賃金と物価の好循環の強まりを示唆する内容ではないとの指摘が出ている。

<生鮮食品除く食料、10カ月連続で伸び鈍化>

コアCPIはロイターがまとめた民間予測2.7%上昇を下回った。

エネルギー価格は7.7%上昇と、前月の7.2%上昇からプラス幅が拡大した。都市ガス代は3.7%上昇と、前月の3.2%下落から上昇に転じた。

政府の電気・ガス価格激変緩和対策により、総合指数は0.25%ポイント押し下げられた。押し下げ効果は5月の0.48%ポイントの約半分になった。

宿泊料は19.9%上昇で前月の14.7%上昇を上回った。前年に政府の全国旅行支援で押し下げられていた反動に加え、観光需要の高まりや人手不足も押し上げ要因。

家庭用耐久財は3.9%上昇で、前月の1.9%上昇を大きく上回った。猛暑で需要が増えているルームエアコンが9.3%上昇した。

一方、生鮮食品を除く食料は2.8%上昇と、前月の3.2%上昇を下回った。原材料価格の転嫁の影響が剥落する中、伸び率の縮小は10カ月連続となった。

コア対象522品目のうち、上昇は404、下落は75、変わらずは43。上昇品目数は縮小傾向にある。

<コアコアCPIの伸び拡大、「基調物価の底堅さ示す」>

コアコアCPIの伸び率拡大について、SBI新生銀行の森翔太郎シニアエコノミストは、5月まで国内物価の基調は鈍化が続いていたが、6月はコアコアCPIが下げ止まった形となり「一定の底堅さを示した」と話した。

ただ、一般サービスでは宿泊料などの一部品目が物価押し上げに寄与している側面が引き続き強く「サービスインフレの広がりや加速は限定的だった」と指摘。「消費の低迷が長期化するもとで、企業が価格転嫁を躊躇している可能性が考えられる」とした。

日銀は30日から金融政策決定会合を開く。森氏は、6月全国CPIは基調物価の下げ止まりを示した一方、日銀が目指す「第二の力」(賃金と物価の好循環)の明確な強まりを示唆する内容ではなく、「7月会合での利上げを促すほどの強い結果ではなかった」とみている。

26日には7月東京都区部CPIが発表される。賃金の伸び加速が毎月勤労統計で確認できたものの、足元の消費者マインドの持ち直しは鈍く「7月会合までに賃上げの消費や物価への波及をデータで確認することは難しい」(森氏)とし、7月会合で国債買い入れ減額計画と同時に利上げを決定することのハードルは引き続き高く、次の利上げの基本シナリオは10月会合で据え置くとした。

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