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中国の景気回復、十分でない 効果的なマクロ政策必要=共産党幹部

ロイター / 2024年7月19日 16時4分

中国共産党の中央財経委員会弁公室の韓文秀副主任は19日、中国の景気回復は十分に力強くないと指摘し、政府はマクロ政策をより効果的に実施する必要があるとの認識を示した。写真は建設現場の前を歩く人で14日に北京で撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

Joe Cash Ellen Zhang

[北京 19日 ロイター] - 中国共産党の中央財経委員会弁公室の韓文秀副主任は19日、中国の景気回復は十分に力強くないと指摘し、政府はマクロ政策をより効果的に実施する必要があるとの認識を示した。

特別債の発行と使用を加速すべきだとし、金融政策は柔軟で正確かつ効果的であるべきとの考えを示した。

党の重要会議である第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が前日閉幕したことを受けて会見した。

18日の閉幕後に伝えられた声明は、国内産業を現代化し、内需拡大や債務・不動産リスクの抑制を図るほか、金融・財政改革も推進する方針を表明した。

共産党幹部らはこうした包括的な経済目標リストに「多くの複雑な矛盾」が含まれていることを認め、実施の道筋が平たんでないことを示唆した。

消費を中心とする経済への構造転換なしに産業の近代化や世界における影響力拡大を追求すれば、債務が成長を上回るペースで膨らみ続ける恐れがある。

キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、ジュリアン・エバンスプリチャード氏は「高い債務水準とデフレ圧力の高まりは、最終的に日本のような低成長と非常に低いインフレ率につながる可能性がある」と指摘した。

「そうすれば中国当局は現在の政策を転換せざるを得なくなるだろう。しかしそれはすぐには起こらず、数年後になるかもしれない」と述べた。

党中央政策研究室の唐方裕副主任は「中国式の近代化推進は多くの複雑な矛盾や問題に直面しており、われわれは複数の困難や障害を乗り越えなければならない」と述べた。

韓氏は不動産業界の再編を加速し、高水準の債務や売上高、借り入れといったこれまでのモデルを改める考えも表明。不動産開発に適合した融資、税制、土地売却の基本システムを確立する必要があると述べた。

また、外国による対中投資の減少は一時的な現象で、政府は外資企業の合法的な権利と利益を保護すると強調。中国は外国との貿易や投資の基本的な状況を安定させると同時に、消費者をはじめとする国内需要を拡大すべきだと述べた。

<失望感>

中国は数日中により詳しい政策の計画を記した文書を公表するとみられる。だが3中全会後の発表は既存の政策の焼き直しが多かったため、一部のエコノミストからは失望の声が上がった。

ナティクシスのアジア太平洋地域チーフエコノミスト、アリシア・ガルシア・エレロ氏は「新しいものは何もない。産業政策も状況認識も変わっていない。方向転換も消費主導の成長も市場の力に関する記述も何もない。本当に残念だ」と語った。

3中全会では習近平国家主席が提唱する、科学技術と技術革新に照準を合わせた「新たな質の生産力」を推進する方針が確認された。

ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「経済の供給面を拡大することと、家計支出を増やすことの間には依然として対立がある」との見方を示した。

「声明は『新たな質の生産力』や『科学技術革命』『産業の変革』に焦点を当て、家計の福祉への支援に触れたのは最後だった」と指摘した。

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