ベトナム、ラム国家主席が党書記長職務を暫定代行 異例の措置

　７月１８日、ベトナム共産党は、療養に専念している最高指導者グエン・フー・チョン党書記長（８０）の職務を党序列２位のトー・ラム国家主席（写真）が暫定的に代行すると発表した。ハノイで６月撮影（２０２４年　ロイター）

Phuong Nguyen　Francesco Guarascio

[ハノイ　１８日　ロイター] - ベトナム共産党は１８日、療養に専念している最高指導者グエン・フー・チョン党書記長（８０）の職務を党序列２位のトー・ラム国家主席が暫定的に代行すると発表した。党書記長代行への正式就任には政治局決定が必要で、今回は異例の措置となった。

チョン氏には数カ月前から健康悪化説があるものの、外務省報道官は記者会見でどのような治療を受けているか言及を避けた。

チョン氏は反汚職運動を推進し、幹部摘発の陣頭指揮を執る公安相だったラム氏は５月に国家主席に昇格した。チョン氏は２０２６年に任期が満了する。ラム氏は最有力後継候補との見方が圧倒的だ。

政治局は今回ラム氏に「党中央委員会や政治局、書記局の活動」を暫定的に統括する任務を命じるとともに声明を発表。党と軍、国民に「党指導部に絶対的な信頼を置く」よう求めた。

シンガポールのシンクタンク、ＩＳＥＡＳユソフ・イサーク研究所のベトナム専門家グエン・カック・ジャン氏は「現状を見ると、ラム氏が２６年まで党トップ代行を務める可能性が最も高い」と話した。