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インド製弾薬、欧州経由でウクライナへ ロシア抗議でも規制の兆しなし

ロイター / 2024年9月19日 16時24分

 9月19日、欧州企業がインドの軍需企業から購入した砲弾や弾薬がウクライナにわたっていることがインドと欧州の当局者の話で分かった。写真は模擬訓練に参加するインド陸軍の兵士。2016年1月、ニューデリーで撮影(2024年 ロイター/Anindito Mukherjee)

[ニューデリー  19日 ロイター] - 欧州企業がインドの軍需企業から購入した砲弾や弾薬がウクライナにわたっていることがインドと欧州の当局者の話で分かった。ロシア政府はインド側に抗議したが、インド政府は取引停止の措置を取っていないという。

インドの武器輸出規制は、武器の使用を申告した購入者に限定し、無許可の転売などがあれば取引停止にすると定める。インド外務省報道官は1月の記者会見で、インドはウクライナに砲弾を供給・販売はしていないと述べた。

当局筋によると、ウクライナに供給されているインド製砲弾薬は、国有軍需企業ヤントラなどが製造したもの。取引は1年余り前から行われており、税関の記録によるとイタリア、チェコなどからウクライナに輸出されている。

元ヤントラ幹部は非上場のイタリア防衛企業MESが同社の最大の海外顧客だと述べた。MESは、ヤントラから中身が空の砲弾を購入し、爆発物を詰めてウクライナに輸出しているという。

ロシアは事態を深刻視し、7月の外相会談を含め少なくとも2回、インド側に対応を求めた。インド当局者によると、政府は状況を監視しているが、欧州向け輸出を制限する措置は取っていないという。

関係者は、ウクライナが使用する砲弾薬でインド製が占める割合はごくわずかと指摘。ロシアによる侵攻開始後にウクライナが輸入した武器全体の1%以下と推定されている。

キングス・カレッジ・ロンドンの南アジア安全保障の専門家、ウォルター・ラドウィグ氏は、比較的少量の弾薬の移転はインド政府にとって地政学的に有益とみる。インドはロシア・ウクライナ戦争について、「ロシアの味方」ではないことを西側にアピールできると指摘した。またロシアはインドの決定に対してほとんど影響力を持たないと述べた。

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