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ECB金利が中立水準下回る想定、「常識に反さず」=伊中銀総裁

ロイター / 2024年11月20日 0時40分

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中央銀行総裁(写真)は19日、コロナ禍のショックが和らぎ、インフレが正常化しつつある今、ECBは金融政策決定で、よりフォワードルッキング(先を見越した)アプローチに戻り、将来の政策対応に関するガイダンスをもっと示すべきだと述べた。5月撮影。(2024年 ロイター/Massimo Pinca/File Photo)

Valentina Za

[ミラノ 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中央銀行総裁は19日、金利が経済にとって中立とされる水準を下回る可能性があると考えるのは、金融政策の常識に反するものではないとの考えを示した。

パネッタ氏はミラノで行われた講演で、どの金利水準が中立とみなされるかについて過度に心配することなく、欧州中央銀行(ECB)が金融引き締めを解除する必要があると発言することは「何も珍しいことではない」と述べた。

これに先立ちパネッタ氏は、コロナ禍のショックが和らぎ、インフレが正常化しつつある今、ECBは金融政策決定で、よりフォワードルッキング(先を見越した)アプローチに戻り、将来の政策対応に関するガイダンスをもっと示すべきだと述べた。

パネッタ氏は、ミラノの大学での講演で、ユーロ圏経済は「2022年から23年にかけての異例のショック」の後、従来の領域に戻りつつあり、インフレ予測の誤差も正常化していると指摘し、ECBは「実体経済の停滞に焦点を当て」、政策金利を「中立あるいは拡張的な領域」に修正する必要があるとした。

「インフレ率が目標近くになり、内需が停滞している今、制約的金融政策はもはや必要ない」と述べた。持続的回復がなければ、インフレ率が目標を大幅に下回る可能性があるとし、「金融政策がこれに対抗するのは困難であり、避けるべきシナリオだ」とした。

ECBは10月に政策金利を0.25%ポイント引き下げ3.25%とした。パネッタ氏は「おそらく中立金利はまだかなり遠い」との認識を示した。

過去2年、ECBは異例な状況下で、入手できるデータに基づき「会合ごと」に政策を決定する対応を取ってきた。パネッタ氏は、中期的な方向性に沿って、より伝統的な、真に将来を見据えた金融政策のアプローチに戻ることが可能になったとし、「予想される政策の展開について、より多くのガイダンスを提供」すべきと指摘。「そうすることで、企業や家計が政策金利の先行きを予想しやすくなり、需要と実体経済の回復を後押しする」と述べた。

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