米当局、政治家らに「暗号化通信」利用勧告 中国系ハッカー対策で
ロイター / 2024年12月19日 10時46分
12月18日、米国土安全保障省傘下のサイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー局(CISA)は、政治家や政府高官に対して通常の電話やテキストメッセージ送受信を直ちに取りやめ、エンドツーエンド暗号化(E2EE)通信のみを利用するよう勧告した。写真は、公共の施設塔に5G機器を設置する技術者ら。 2022年3月16日、カリフォルニア州レドンドビーチで撮影(2024年 ロイター/Mike Blake)
Raphael Satter AJ Vicens
[ワシントン 18日 ロイター] - 米国土安全保障省傘下のサイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー局(CISA)は、政治家や政府高官に対して通常の電話やテキストメッセージ送受信を直ちに取りやめ、エンドツーエンド暗号化(E2EE)通信のみを利用するよう勧告した。米大手通信企業のシステムが中国系ハッカー集団の不正侵入にさらされている問題が背景にある。
送り手と受け手以外誰も内容を読むことができないE2EE通信の機能は、メタ・プラットフォームズのメッセージアプリ「ワッツアップ」やアップルの「iメッセージ」、秘匿性の高いアプリ「シグナル」などに組み込まれている。
一方そうした機能を備えていない通常の電話やテキストメッセージは、通信企業や法執行部門、場合によっては通信企業のシステムに侵入したハッカーらに読まれてしまう。
中国系ハッカー集団「ソルト・タイフーン」は、中国政府の指示を受け、まさにそうした手口で盗聴や情報窃取をしている、というのが米当局の見方だ。中国政府はスパイ行為を否定している。
CISA幹部のジェフ・グリーン氏は18日記者団に、この問題の捜査は続いていると説明。ソルト・タイフーンによる不正侵入は、米国の重要インフラを標的とする中国側の活動の一環で、公益企業やその他ネットワークに対しては「ボルト・タイフーン」と呼ぶ別の集団のサイバー攻撃もあると述べた。
その上で「われわれはこうした活動に備え、長期にわたって身を守ることが求められる」と強調した。
またCISAは、ワンタイムパスワードに基づくテキストメッセージの使用も避け、ハードウエアセキュリティーキー(物理的な認証キー)を用いてフィッシングによるパスワード窃取を防止することも提言した。
この記事に関連するニュース
-
北朝鮮の暗号資産窃取、世界で年間1000億円 「夢の仕事作戦」も駆使しサイバー攻撃
産経ニュース / 2025年1月29日 18時39分
-
米国土安保省、全ての諮問委員解任 中国ハッカー巡る調査に影響か
ロイター / 2025年1月22日 11時19分
-
トランプ大統領再登板後の米中関係と「サイバー戦争」
RKB毎日放送 / 2025年1月21日 16時33分
-
中国政府系ハッカー「ソルト・タイフーン」とは?...アメリカ政府も「打つ手がない」
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月14日 14時12分
-
米、サイバーセキュリティー強化へ近く大統領令 中国脅威に対応
ロイター / 2025年1月13日 13時16分
ランキング
-
1トランプ氏が鑑賞していた「花火」も中国製だった 最大の輸出先はアメリカなのに…“追加関税発動”で中国・花火の街からも不安の声
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月5日 16時46分
-
2「南モンゴルのマンデラ」緊急搬送「注視を」楊海英氏、中国の軟禁下もノーベル平和賞候補
産経ニュース / 2025年2月5日 14時30分
-
3ロシア、トランプ氏の発言歓迎 ウクライナのNATO加盟巡り
ロイター / 2025年2月5日 19時27分
-
4トランプ氏の「ガザ所有」は国際法違反の可能性…ジュネーブ条約で強制移住を禁止
読売新聞 / 2025年2月5日 20時48分
-
5トランプ氏の放水命令で数十億リットルの水が無駄に 専門家
AFPBB News / 2025年2月5日 12時32分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください