新興国中銀、一斉に自国通貨防衛 米利下げ慎重姿勢で
ロイター / 2024年12月19日 18時40分
[ムンバイ/シンガポール 19日 ロイター] - 18日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年の利下げ予想を後退させたことで米金利やドルが上昇、新興国の中央銀行は自国通貨の支援に追われた。
ブラジルレアルは最安値。アジアでは韓国ウォが15年ぶり安値、インドルピーは最安値、インドネシアルピアも4カ月ぶり安値を付けた。
ブラジル、インド両中銀は自国通貨支援へドル売りを実施。インドネシアとタイの中銀は、過度な変動を防ぐために行動すると口先介入をした。
オーストラリアのオンライン・ブローカー、ペッパーストーンの調査責任者クリス・ウェストン氏は「米国債売り(利回り上昇)ペースが、ドル買い再開のゴーサインとなった」と述べた。
HSBCのアジアチーフエコノミスト、フレッド・ノイマン氏は、FRBのタカ派姿勢が新興国中銀の手を縛ると指摘。「為替介入は短期的に下支えの効果が見込まれるが、長期的には金融政策調整を迫られる」と予想した。
中国人民銀行(中央銀行)は元の対ドル基準値(中間値)を7.1911元と前営業日終値(7.2848元)よりも元高に設定し元を支援する姿勢を見せた。しかし元は1ドル=7.3元の心理的節目を上抜け13カ月ぶり安値を付けた。
サクソのチーフ投資ストラテジスト、チャルー・チャナナ氏は、「アジアの中銀は自国通貨の下げ圧力緩和を試みることはできるが、完全に払拭するのは当面難しい」とみる。高利回りのアジア通貨はかつてはキャリートレードの一定の恩恵を享受していたが、現在の高いボラティリティはこの戦略の持続可能性を脅かすことになると指摘した。
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