G20、世界経済回復へ引き続き連携 途上国債務の返済猶予を要請
ロイター / 2020年7月19日 14時45分
7月18日、G20財務相・中央銀行総裁は電話会議を行い、新型コロナウイルス感染拡大への対応と世界経済の強化に向け、「利用可能なあらゆる政策手段」を用いると表明した。写真はG20議長国サウジアラビアのジャドアーン財務相。提供写真(2020年 ロイター/G20 Saudi Arabia)
[リヤド/ワシントン 18日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁は18日、電話会議を行い、新型コロナウイルス感染拡大への対応と世界経済の強化に向け、「利用可能なあらゆる政策手段」を用いると表明した。
会議終了後に発表された共同声明は、各国経済が徐々に再開するに伴いのに合わせて世界経済は回復するとした上で、成長を確実にするには一段の対応策を講じる必要があると指摘。「人々の生命、雇用、所得を守り、世界経済の回復を支援し、また金融システムの回復力を高めると同時に、下方リスクを回避するため、利用可能なあらゆる政策手段を引き続き用いる」とした。
最貧国の2国間の債務については、債権国に対し債務返済猶予の短期延長を行うよう呼び掛けた。ただ、4月にG20が合意した債務支払猶予イニシアチブ(DSSI)を来年に延長するとの言及はなかった。
会議の関係筋によると、新型コロナ流行による景気低迷を受けてDSSI延長への支持は高かったが、共同声明では延長については2020年下半期に検討するとの表現にとどめた。このほか、一部最貧国の債務免除が呼び掛けられているものの、声明では触れなかった。
G20財務相・中央銀行総裁は、最貧国73カ国のうち42カ国が2国間の債務返済を年末まで猶予するよう要請。返済期限が延長される支払い総額は約53億ドルに上ることになる。
また2国間債務の債権国に対し、透明性を確保してDSSIを全面的に実施するよう求めた。世界銀行は、G20のメンバー国で途上国の最大の債権国である中国の取り組みが十分でないとの懸念を示しており、これが反映された形となった。
中国を名指しはしなかったものの、債務返済猶予の実施を注視すると表明。また債務データの質的向上と債務情報公表の改善に向けた監視の枠組みの設置についても言及した。
このほか、デジタルサービス課税を巡る意見の相違を解消するとあらためて表明し、年内にコンセンサスに基づく包括的な解決を目指す方針を示した。
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