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訂正-アングル:中国、企業の不正への集団訴訟も官主導 浸透に課題

ロイター / 2020年8月19日 18時21分

 8月19日、中国が、企業の不正に対し個人投資家が集団訴訟を起こせる環境を整備している。電子掲示板で株価情報をみる個人投資家ら、杭州で1月撮影(2020年 ロイター/China Daily)

[上海/香港 19日 ロイター] - 中国が、企業の不正に対し個人投資家が集団訴訟を起こせる環境を整備している。一連の不祥事を受けた政府の企業不正への取り組みの一環で、個人投資家が取引の8割を占める資本市場の深化、改善に向けた動きでもある。ただ、国有企業など、政府が一定の影響力を持つ企業も少なくないことから浸透しづらいとの声が投資家や法曹関係者から出ている。

7月31日に施行された新たな集団訴訟制度では、政府系機関の中証中小投資者サービスセンター(CSISC)が、企業の個人投資家全員を代表して訴訟を起こす。当初は「社会に悪影響を及ぼす典型的な重大事案」を選んで対応するとしており、投資家や弁護士は、他の事案が取り残される可能性があると指摘する。

モリソン・フォースター(訂正)のパートナー、マルシア・エリス氏は「込み入った状況になると思う。例えば地方政府の強い支援を受けている企業に対して集団訴訟を起こすことができるのか」と述べた。

中国で企業の不正は珍しくないが、これまで個人投資家が声を上げる機会はほとんどなく、訴訟を起こすのは「象にアリが戦いを挑む」ようなものとされていた。

投資家保護規則の下で個人投資家が会計不正の企業を提訴することはあった。しかしこうした訴訟は裁判所の関心を得られなかったり、重大な不正でも補償は微々たるものというケースが多かった。

個人投資家のGao Jianlu氏は、新制度で上場企業をより低コストで訴えやすくなるとブログで書いた。

<政府の関与>

米国との関係が悪化する中、株式市場は資金繰りの厳しい企業の資金調達の場として重要性を増している。

中国では、新規株式公開(IPO)制度が先進国並みにディスクロージャー(情報開示)ベースに移行しつつある。企業側のハードルが低くなるが、投資家は新たな不正の温床になることを懸念する。

物言う投資家のXu Caiyuan氏は、新制度の下でも米国ほど集団訴訟は起こされないとみている。

新たな集団訴訟制度では、企業が規則違反したと裁判所か当局が認定する、あるいは企業が不正を認めて初めて集団訴訟が起こせる。

加えてCSISCでなく複数の個人による集団訴訟の場合、訴訟に参加する意向の投資家のみとなるため、原告の人数や賠償請求などが制約される。

過去2年間の企業不正に関する150の訴訟をまとめた弁護士のYang Seng氏は、これまでの制度下で活躍していた弁護士を新制度はわきに押しやるとし「集団訴訟の大規模な波が起こるとは思わない」と述べた。

(Samuel Shen記者、Alun John記者)

*英文の訂正により、3段落目の社名を「モリソン・フォレスター」から「モリソン・フォースター」に訂正します

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

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