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米が露の黒海封鎖打破へ、ウクライナに対艦ミサイル供与=関係者

ロイター / 2022年5月20日 8時15分

 5月19日、バイデン米政権は、ウクライナに新型の対艦ミサイルを供与し、ロシアの黒海封鎖を打ち破る手助けをすることを検討している。複数の関係者が明らかにした。フィリピン海での豪、日本、韓国、米海軍による演習で、「ハープーン」対艦ミサイルを発射する米海軍アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」。2019年5月26日撮影。提供写真(2022年 ロイター)

[ワシントン 19日 ロイター] - バイデン米政権は、ウクライナに新型の対艦ミサイルを供与し、ロシアの黒海封鎖を打ち破る手助けをすることを検討している。複数の関係者が明らかにした。

ウクライナ政府は、既にいずれも携帯型の対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」といった強力な米国製兵器の提供を受けているが、より高性能の兵器を求める姿勢を表明している。その希望リストの中には、ウクライナ領内の黒海の港湾からロシアの艦艇を追い出し、穀物やその他の農産物などの輸出再開を可能にしてくれる対艦ミサイルも含まれる。

米国の政府高官や元高官、議会関係者に話を聞くと、ウクライナに対してより長射程で性能が強力な兵器を送る上では幾つかのハードルがある。戦争のエスカレートを巡る懸念はもちろんとして、兵器を扱うため長期の訓練が必要なことや、保守管理の難しさ、最新兵器がロシアの手にわたってしまう恐れなどが挙げられる。

そうした中で3人の米政府高官と2人の議会関係者は、米ボーイングの「ハープーン」やノルウェー企業と米レイセオンの「NSM」の2種類の対艦ミサイルをウクライナに直接供与、もしくはこのミサイルを保有する欧州の同盟国から供与する案が活発に検討されていると述べた。

ただ現実的な課題も残されている。ハープーンは、本来は艦対艦ミサイルなので、陸上から発射するためのプラットフォームを確保しにくいというのがその1つ。2人の米政府高官は、米海軍艦艇から発射装置を引き抜いて一緒に陸揚げする方法が模索されていると語った。米政府は対艦ミサイルをウクライナの戦闘機に搭載することも考えているとされる。

英国防省によると、現在ロシアの艦艇は黒海の作戦区域に潜水艦を含めて約20隻いるという。

ハドソン研究所の海軍関係専門家、ブライアン・クラーク氏は、ハープーンのように射程が100キロを超える対艦ミサイルが12基から24基あれば、ロシア艦艇に十分脅威を与えられ、ロシア側に封鎖解除を決心させられると指摘。「もしもプーチン大統領が封鎖を維持しても、黒海に隠れ場所がない以上、ウクライナ側はロシア海軍の主力艦艇を葬り去ることができる」と強調した。

米政府高官の話では、自分たちからハープーンをウクライナに提供しても良いという国は何カ国か存在するが、こと自分たちが保有するハープーンがロシア艦艇を撃沈した場合の報復を恐れ、真っ先に名乗り出たがらないという事情もある。それでも、保有数の多いある国がまずハープーンをウクライナに送ることを検討中で、この国が供与を確約すれば他国も追随するかもしれないという。

NSMミサイルは射程250キロで、作戦に必要な訓練は14日弱。北大西洋条約機構(NATO)諸国が地上発射装置を貸し出すこともできるため、配備に向けたハードルはより低いとみられている。米議会筋によると、ノルウェーがウクライナにNSMを寄贈する選択肢もあり、この構想はノルウェーの議会メンバーから支持されている。

ハープーンやNSMといった米国製品が絡む兵器への要請はすべて米国務省が承認する必要がある。

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