ロシアが政府職員の出国制限強化、機密漏洩を警戒=関係筋
ロイター / 2024年4月19日 10時24分
ロシアは、西側諸国との関係が過去60年以上の間で最悪の危機に瀕している中、外国勢力によって国家機密が漏洩しかねないとの懸念から、一部の政府職員を対象に海外渡航を従来よりも制限している。写真は、同国のプーチン大統領。2024年4月17日にモスクワ郊外の官邸で撮影。(2024年 ロイター/ Sputnik/Gavriil Grigorov/Pool via REUTERS)
[モスクワ 18日 ロイター] - ロシアは、西側諸国との関係が過去60年以上の間で最悪の危機に瀕している中、外国勢力によって国家機密が漏洩しかねないとの懸念から、一部の政府職員を対象に海外渡航を従来よりも制限している。関係筋がロイターに明らかにした。
旧ソ連の情報機関で秘密警察、国家保安委員会(KGB)の後継機関の一つである連邦保安局(FSB)は、全ての省庁職員に対し、ロシアを一切出国しないよう圧力をかけており、訪問先が対ロシア制裁を課していない「友好国」であっても同様の圧力を加えているという。
ロシア軍がウクライナに侵攻する前から、特定の機密情報にアクセスできる者はロシアから出国することが禁止されていた。しかし、現在のロシアの制限はやや混乱しており、政府機関ごとにルールが異なるという。FSBからの圧力を受けて、政府はさまざまな省庁の職員が特別な許可なしに外国旅行をすることを禁止し、各省庁は第五列(スパイ)とみられることを避けたいのが本音だ。
関係筋によると、ロシア政府職員がわなにはめられ、国家安全保障に影響を与える機密漏洩を強いられるのではないかという懸念が、海外渡航の規則を強化する主な理由。また、政府職員が拘束されて西側に引き渡されたり、秘密を漏らす取引を持ちかけられたりしかねないとの懸念も背景にあるという。
政府関係者の海外渡航は2022年に禁止された。当時は非公式な決定だったが23年半ばに正式な措置となった。
ロシアでは「国家機密」の定義は幅広い。軍事や核、安全保障情報だけでなく、天然資源の埋蔵量データや生産、消費のほか、輸出データや一部の経済政策、一部の科学的発見、秘密の保護方法に関する詳細など、ロシア国家に損害を与える可能性のもの全てを含む。
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